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さくらのぶらじゃぁ初体験 11

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「……ね……ねぇ……知世ちゃん……」
 しばらくの沈黙の後、伏せていた顔を上げたさくらは、静かに切り出した。問いかけられて僅かに小首を傾げる知世に、ブラジャーの一枚を両手で前にかざすと、
「……これ、試しに着けてみない?……」
「は?」
 言われた事が判らず、知世が問い返す。
「だから、試しに着けてみよう? それで、具合を見て、それから学校に着けていけるかどうか、考えようよ?……」
 さくらの言葉に、知世は驚いた表情を浮かべた。だが、暫く考えて、やがて、もっともな事だと思った。
 封を開けていないから当然だが、知世はまだブラジャーそのものを一度も身に着けていない。一度、着けてしまうと、顔を合わせるすべての人に「ブラジャーを着けた」事が判ってしまうのではないか? という根拠の無い不安があったからだ。
 だが、園美は「初めては、こういうのが良いのよ」と言って選んでくれたのだから、もしかすると、「初めて用」というのは、着けている事が判らないように、何か工夫されているのかもしれない。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 12

管理

 躊躇いがちの手で胸元の白いタイを緩めると、その下のファスナーを指で摘んで引き下げる。それからセーラーの上着の裾を手を交差させて掴み、引き上げた。
 少し苦労して抜いた長い黒髪を頭を軽く振って整え、脱いだ上着を畳んで足元に置く。
 次は、学校指定のハイネックシャツだ。プリーツスカートの白との間でコントラストになっている濃紺の裾を掴む。
 知世は、そこでちらとさくらを見た。瞬きすらも惜しむように見つめる視線が、「早く」と急かしている様にも感じられる。
 そんなに見ないでください………
 喉まで出かかった言葉を、知世は何とか飲み込む。それを言えば、今度はさくらも同じように言うかもしれない。着替えのお手伝いや、採寸にも影響がでるかもしれない。それが怖かった。
 目をつぶり、思い切ってハイネックシャツを引き上げる。
 知世は、学校の制服を着るときは、ジュニアスリップを愛用しているため、プリーツスカートに固定され、めくれあがって胸が見えてしまうような事はない。長い髪を頂く頭を、少し苦労して抜き、それから片方づつ袖を抜いて、先ほどの上着の上に置く。 

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さくらのぶらじゃぁ初体験 13

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「うわぁ………」
 さくらが思わず感嘆の声をあげた。
 そのまま、知世を見つめ、固まってしまう。
 ただ一枚、真っ白なショーツのみを身に着けただけの知世の素肌は、抜けるような白さに僅かに血の色が透けて、言葉に出来ないほど綺麗だった。
 しんっ──と固まったかのような空気。耐え切れなくなった知世は固く瞑っていた目を、うっすらと開けた。
 さくらは、やや呆けたようにぽっかりと口を開け、瞬きも忘れてこっちを見つめている。身体中をムズムズした感じが這い回った。視線が知世の身体中をくすぐっていく。恥ずかくて、胸を抑えてうずくまりたかったが、さくらの視線を遮る事への畏れがそれを許さない。
 もう一度目を瞑り、ただ、ただ、さくらの熱線のような視線に耐えるしかなかった。
 どのくらいそうしていただろう。
 さくらは、膝と膝との間に置いていた両手を支えに、ゆっくりと立ち上がった。
 気配を察し、目を開けた知世をじっと見つめたまま、一歩前に出る。
 知世は思わず知らず、後ろに一歩退いた。だが、さくらは二歩、知世に近づく。さらに下がろうとする知世に、両手を持ち上げ近づいてくる。
 ついに耐え切れなくなり、知世は自らの胸を抱くように隠し、視線から逃げるように身体を捻った。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 14

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 興奮したのか、カラカラになった喉に唾を飲み込んで僅かな潤いを与えると、さくらは改めて、右手を知世の胸に伸ばした。
 肌に指先が触れる直前、一瞬の躊躇いで止まったものの、せっかくの「お許し」を無駄にしてはいけないと思い直し、そっと肌の上に指を置く。
 ビクンと、知世の身体にさざなみが走り、思わずさくらは手を引っ込めた。
「す、すみません……」
 無意識に反応してしまったことを謝罪した知世は、再び目をつぶり、心持ち、胸を突き出すようにする。それを見てとったさくらは、ゆっくりと掌を胸の上に置いた。
「うわぁ……」
 思わず、さくらが感嘆の声をあげる。
 見た目としては、ほぼ平坦といってよい胸に、ぺったりと掌を当てているに過ぎない。だが、手触りのよい肌の下には、なにか液体のようなものが層になっているかのように、ふんわりとした柔らかさがあるのが感じられた。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 15

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「ありがとうございます……」
 言った知世は、受け取った白い布地を広げた。
 形としては、普段着ているジュニアスリップの胸から下を切り捨てたように見える。とすれば、着用方法がそれほど変わるわけではないだろう。知世は、つり橋の搭の部分に見える、腕を通すだろう場所に、まず右腕を通した。
 ふと見れば、さくらが興味津々の目で、瞬きすら惜しむように見つめている。視線に気恥ずかしさを感じるものの、いまさら後ろを向くわけにもいかない。覚悟を決めて左腕も通し、呼吸をひとつしてから思い切って被り、真ん中の穴から頭を通した。
 続いてうなじに両手を回し、長い黒髪を引き出すと、浮き出た鎖骨の上あたりでわだかまっているブラの下端を両手で掴み、引き下げる。布地が伸び、胸が包み込まれたのが判った。意外と言っても良いくらい、柔らかく包み込まれ、一瞬、手が止まってしまう。
 左右で若干、ちぐはぐな位置になってしまった紐をキチンと肩に乗せて整え、掌でシワなどになっている部分がないか探して整えると、でき上がりだ。
「ほえぇぇぇ……」
 目の前に現れた、見た事のない知世の姿に、さくらが何度目になるか判らない感嘆の声をあげる。
 腕や首筋、肩やお腹に肌が見えているのに、胸の部分だけを真っ白な布地にぴったりと覆われたそれは、さきほど見て触った裸の胸を見ているより、なぜかどきどきしてしまう。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 16

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「さくらちゃん……」
「ほえ?」
 呼びかけられて手を止めたさくらが、知世の顔を見る。優しい笑みを浮かべた知世は、たっぷりと間をおいてから、そっと囁いた。
「それでしたら……さくらちゃんもつけてみませんか?」
 さくらはその言葉の意味するところが、一瞬つかめなかった。
「つけるって……なにを?……」
 不思議そうに問い直すさくらに、知世は、
「もちろん、ブラジャーですわ」
 といらえを返し、足元にある紙袋に目線を移す。知世の視線を追いかけたさくらは、そこにある物を見た。
「え?……」
 もう一度、知世の顔を見、その言葉をもう一度反芻して、やっと意味を掴んだ。
「……え?………ええぇぇ!?」
 大仰なくらい、驚いて見せたさくらは、両手をわたわたと振ると、
「だ、だ、ダメだよ!わたし、まだ知世ちゃんみたいにおっぱい膨らんでないし……絶対ダメだよ。早すぎるよ!」
 まるで、膨らんでいないのにブラジャーを着用すると、法律に触れるかのような動転ぶりだ。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 17

管理

「……知世ちゃん…………」
 頬をヒクヒクと引きつらせ、何とか反駁しようとしたさくらだったが、名前を呼ぶのがやっとだった。 
 ため息をひとつ付き、何気なく足下の紙袋を見る。そこから覗く、シンプルだが可愛らしく、そして一歩オトナであることを示す魅力の下着。
 つけて、みたい……。
 心の中で頭を持ち上げたそんな気持ちを、慌てて否定する。
 全然膨らんでもいないのにナマイキだって思われたらどうしよう。園美さんがせっかく知世ちゃんのために買ったのに、わたしが借りるなんてイケナイよ。
 だが、一度はそうして否定はしたものの、好奇心は抑えきれない。それに、さくらが身に付ける事を望む知世の言葉が背中を押す。
 着けたらどんな感じがするんだろう。オトナっぽくなれるかな? 本当に知世ちゃんの言うとおり、膨らんできてるのかな?
 そうした気持ちが表れたのか、さくらは、真っ白なブラジャーに包まれた知世の胸に、自然と目線を注いでいた。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 18

管理

「あん……」
 皮膚感覚で異常を感じたさくらが、ちょっと慌てた声を出す。ハイネックと一緒に、下に着ている女児用のタンクトップがずり上がってしまったのだ。
 スカートとの間でお腹の部分の肌が露になり、ぽつんと窪んだお臍が、まるで踊るように右へ左へと動く可愛らしい様を、知世は瞳に焼き付けた。
 先に頭を通すつもりで、捲くりあげるハイネックの内側に両手を引き込んでいたから、この状態では何もできない。さくらは左手を急遽元に戻して、白い木綿の布地を思い切り引き下げてから、再びハイネックを捲り上げる。
 ブラジャーをつけるのだから、どうせこのタンクトップも脱ぐのに、いっしょくたに脱ぎ捨てるようなことをしないのが、いかにも女のコだ。
 やや苦労してハイネックシャツから頭を抜き取ったとき、またもタンクトップがめくり上がって、お腹から胸の下までが一瞬覗く。まだ袖から腕を抜かないまま、さくらはフリフリと腰を捻って、何とかそれを落とそうと試みる。その様子を知世はとろけるような笑みで見つめていた。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 19

管理

 そのまま無言の刻が流れる事、暫し。知世がゆっくりと脚を前に進め、さくらに半歩近づいた。反対の脚を進め、また半歩。不自然なくらい緩慢な動作で、さくらに近づいていく。
 もともと、間近に立っていたとはいえ、半歩づつ間を詰められれば時間がかかる。けれど、その時間がかえってさくらに対処を迷わせ、あっと思ったときには、もう息がかかるほどに詰め寄られていた。
 知世の両手がゆっくりと持ち上がる。「触るのかな?」とさくらは一瞬思ったが、そうではなかった。
 そっと、さくらの両肩に載せられる、知世の掌。
 どきん! とさくらの心臓が跳ねる。
 このまま、ぐっと引き寄せられて、キスされてしまうのでないか? という想像が一瞬、走った。テレビドラマなどではよくあるシーン。両肩に手を置かれ、見つめあい、次の瞬間には一気に唇が──
 だが、さくらが「キスはだめ」と言おうとした、まさにその瞬間。知世は右手だけをさくらの肩に残したまま、すっと時計回りにさくらの側面に回りこんだ。
 え? とさくらが思ったときには、もう背中に回られていた。知世の右腕がさくらの首筋に巻きついているところは、プロレスの技のよう。もっとも、絡みついた腕はすぐに解かれ、掌はとさくらの胸元を滑って、正面を向いていたときと反対の、右肩をホールドした。
 間髪をいれず、左の肩も押さえ込み、見た目、さくらの背中に止まった、蝶かなにかを思わせる姿勢だ。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 20

管理

「さくらちゃん……」
 しっとりとした声で知世はさくらの名を呼ぶ。
「な……なに?……」
 おどおどと問い返すさくら。知世はその答えに、両掌であばらの境目辺りをそぉっと撫でる。くすぐったかったのか、背中が軽く引きつるのが判った。
「ここのところ……よぉく見てくださいな……」
 囁くように言う知世の声に従い、俯いて知世の手の辺りを見る。
「……鏡の方をご覧になったほうが、判りますよ?……」
 優しく間違いを指摘すると、さくらは慌てて顔をあげ、鏡を見た。知世の掌が撫でているのは、ぽつんと刻まれた乳首の下、お腹と胸の境辺りだ。そこは平坦な肌が続くばかりで、何か変わったところがあるようには見えない。

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