さくらのぶらじゃぁ初体験 19
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そのまま無言の刻が流れる事、暫し。知世がゆっくりと脚を前に進め、さくらに半歩近づいた。反対の脚を進め、また半歩。不自然なくらい緩慢な動作で、さくらに近づいていく。
もともと、間近に立っていたとはいえ、半歩づつ間を詰められれば時間がかかる。けれど、その時間がかえってさくらに対処を迷わせ、あっと思ったときには、もう息がかかるほどに詰め寄られていた。
知世の両手がゆっくりと持ち上がる。「触るのかな?」とさくらは一瞬思ったが、そうではなかった。
そっと、さくらの両肩に載せられる、知世の掌。
どきん! とさくらの心臓が跳ねる。
このまま、ぐっと引き寄せられて、キスされてしまうのでないか? という想像が一瞬、走った。テレビドラマなどではよくあるシーン。両肩に手を置かれ、見つめあい、次の瞬間には一気に唇が──
だが、さくらが「キスはだめ」と言おうとした、まさにその瞬間。知世は右手だけをさくらの肩に残したまま、すっと時計回りにさくらの側面に回りこんだ。
え? とさくらが思ったときには、もう背中に回られていた。知世の右腕がさくらの首筋に巻きついているところは、プロレスの技のよう。もっとも、絡みついた腕はすぐに解かれ、掌はとさくらの胸元を滑って、正面を向いていたときと反対の、右肩をホールドした。
間髪をいれず、左の肩も押さえ込み、見た目、さくらの背中に止まった、蝶かなにかを思わせる姿勢だ。
そのまま無言の刻が流れる事、暫し。知世がゆっくりと脚を前に進め、さくらに半歩近づいた。反対の脚を進め、また半歩。不自然なくらい緩慢な動作で、さくらに近づいていく。
もともと、間近に立っていたとはいえ、半歩づつ間を詰められれば時間がかかる。けれど、その時間がかえってさくらに対処を迷わせ、あっと思ったときには、もう息がかかるほどに詰め寄られていた。
知世の両手がゆっくりと持ち上がる。「触るのかな?」とさくらは一瞬思ったが、そうではなかった。
そっと、さくらの両肩に載せられる、知世の掌。
どきん! とさくらの心臓が跳ねる。
このまま、ぐっと引き寄せられて、キスされてしまうのでないか? という想像が一瞬、走った。テレビドラマなどではよくあるシーン。両肩に手を置かれ、見つめあい、次の瞬間には一気に唇が──
だが、さくらが「キスはだめ」と言おうとした、まさにその瞬間。知世は右手だけをさくらの肩に残したまま、すっと時計回りにさくらの側面に回りこんだ。
え? とさくらが思ったときには、もう背中に回られていた。知世の右腕がさくらの首筋に巻きついているところは、プロレスの技のよう。もっとも、絡みついた腕はすぐに解かれ、掌はとさくらの胸元を滑って、正面を向いていたときと反対の、右肩をホールドした。
間髪をいれず、左の肩も押さえ込み、見た目、さくらの背中に止まった、蝶かなにかを思わせる姿勢だ。
「知世ちゃん…………」
背中にぴったりと胸を押し当てられ、戸惑ったさくらは、半分後ろを振り返りながら、知世に声をかけた。
うっとりと目をつぶり、鼻面を押し付けた首筋から香る、さくらの体臭を愉しんでいた知世は、ゆっくりと顔をあげると、少しさくらを押すように、ふたりの身体の間に距離をあけた。
続けて、右手を置いたさくらの右肩を前に押し、反対に、左の肩は自分の方に引くようにして、さくらの身体の向きを少し斜めに変えさせると、身体を預けるようにして、前に押した。
「知世ちゃん…………」
もう一度、知世呼んでみるさくら。けれど、背中からぐいぐいと押される形になり、バランスを取るために前に歩を出す。知世もそれについてきて、さらに背中に身体を預けて押すようにするところからみて、さくらをどこかに導こうとしているのだろう。
押されるままに歩を進めたさくらは、目の前に自分の姿をみて、はっとなった。そこには、さくらや知世の身長をはるかに超える高さと、二人で並んでも姿が写るような大きな鏡──姿見がこちらの姿を写している。
知世は、肩口から前を見て、さくらの全身が写っているのを確かめると、背中に体重を預けるのをやめて、さくらの身体をそこで止めた。どうやら、知世はさくらをこの鏡の前に立たせたかったらしい。
鏡には、自分の後ろに隠れるようにしている知世はわずかに顔が映っている程度で、あとはさくらの姿だ。真っ白なショーツ一枚を身に着けただけの恥ずかしい格好。どうしても目立つため、真っ先に二つの乳首と、窪んだお臍に目が行ってしまったが、後は恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
毎日の入浴の時には、お風呂場の鏡に写った自分の身体を何気なく見ているから、それと変わらないといえば変わらないが、今は知世が後ろから見ているのだ。それを思うと、恥ずかしさは段違いである。
肩口から前を覗いて、さくらが姿見を見ていない事に気づいた知世は、肩に置いていた手をそっと腕にそって滑らせ、わき腹との間で隙になっているところを見つけると、そこに割り込ませた。
「あ……」
突然の事にびっくりしたさくらが声をあげる。隙間から深く差し入れられ、お腹に回された知世の腕は、まるで「目隠し」をするように、鳩尾の両側にあてがわれた。
背中にぴったりと胸を押し当てられ、戸惑ったさくらは、半分後ろを振り返りながら、知世に声をかけた。
うっとりと目をつぶり、鼻面を押し付けた首筋から香る、さくらの体臭を愉しんでいた知世は、ゆっくりと顔をあげると、少しさくらを押すように、ふたりの身体の間に距離をあけた。
続けて、右手を置いたさくらの右肩を前に押し、反対に、左の肩は自分の方に引くようにして、さくらの身体の向きを少し斜めに変えさせると、身体を預けるようにして、前に押した。
「知世ちゃん…………」
もう一度、知世呼んでみるさくら。けれど、背中からぐいぐいと押される形になり、バランスを取るために前に歩を出す。知世もそれについてきて、さらに背中に身体を預けて押すようにするところからみて、さくらをどこかに導こうとしているのだろう。
押されるままに歩を進めたさくらは、目の前に自分の姿をみて、はっとなった。そこには、さくらや知世の身長をはるかに超える高さと、二人で並んでも姿が写るような大きな鏡──姿見がこちらの姿を写している。
知世は、肩口から前を見て、さくらの全身が写っているのを確かめると、背中に体重を預けるのをやめて、さくらの身体をそこで止めた。どうやら、知世はさくらをこの鏡の前に立たせたかったらしい。
鏡には、自分の後ろに隠れるようにしている知世はわずかに顔が映っている程度で、あとはさくらの姿だ。真っ白なショーツ一枚を身に着けただけの恥ずかしい格好。どうしても目立つため、真っ先に二つの乳首と、窪んだお臍に目が行ってしまったが、後は恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
毎日の入浴の時には、お風呂場の鏡に写った自分の身体を何気なく見ているから、それと変わらないといえば変わらないが、今は知世が後ろから見ているのだ。それを思うと、恥ずかしさは段違いである。
肩口から前を覗いて、さくらが姿見を見ていない事に気づいた知世は、肩に置いていた手をそっと腕にそって滑らせ、わき腹との間で隙になっているところを見つけると、そこに割り込ませた。
「あ……」
突然の事にびっくりしたさくらが声をあげる。隙間から深く差し入れられ、お腹に回された知世の腕は、まるで「目隠し」をするように、鳩尾の両側にあてがわれた。