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さくらのぶらじゃぁ 初体験 3

管理

「あ………あの……そのぉ……」
 知世が困ったように視線を逸らしたのが、さくらには確信になった。
「なにか困った事があったら、お話して! わたし、何でも力になるから!」
 さくらはさらに膝を詰め、知世の手を取ると真剣に言う。
 一瞬、びっくりした様にさくらの顔を見つめた知世は、次に伏し目がちにさくらの胸元を見た。
「ほえ?」
 それに誘われるように自分の胸元を見るさくら。友枝小学校指定の制服は、紺のセーラーにも、白地の襟やタイにも何か付いていたり、汚れている様子はない。
「……い、いえ……違うんです……その……」
 珍しく慌てた様子を見せた知世は、なんと言い繕うべきか考えた。
 だが、しばらく悩んでは見たものの、うまく誤魔化す言葉を思いつかない。それに、さくらに嘘をつくことの罪悪感もある。ややあって、一つ小さなため息をつくと、観念した様子で切り出した。
「聞いて……いただけますか?……」
 知世の言葉に、うんうんと力いっぱい頷きながら、さくらは手を握り締める。知世の力になってあげられる事が嬉しかった。さくらには、知世を助けてあげたという記憶や自覚が、あまりないためだ。むしろ、特別な時の衣服など、一方的にいろいろとお世話になっているという感覚を強くもっていて、これはお返しをするまたとないチャンスのように感じていた。
 知世はゆっくりと立ち上がると、部屋の隅に行き、紙袋を一つ手にして戻ってきた。
 袋はピンク地に白い水玉をちりばめた可愛らしいデザインで、赤いラメの入ったハート型のシールが口を止めている。
 プレゼント用と言ってもおかしくないこの袋は、まだ開封されていないことが判った。

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さくらのぶらじゃぁ 初体験 2

管理

 どうしたんだろう?知世ちゃん……
 見れば、知世は隣に並んだクラスメイトをちら、ちらと見ている。
「次、瀬川、大道寺」
 寺田の笛が鳴り、隣が駆け出したのに気づいて、慌てて知世も走り出した。
 運動神経は、さくらには遥かに及ばぬ知世だったが、踏み切りは上手くいき、どうにか上を飛び越えることに成功。着地は若干よろけたが、合格と言ってよいフォームだった。
 ホッっとため息をつき、ゆっくりと踵を返した知世は、並んだ列の後ろへと歩を進める。
 まだ順番に並んでいる千春や奈緒子。そして、先に飛んで列の後ろにいる利佳──。次々とクラスメイトの女子を見ては、何かを探している様子だ。

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