今日はいちゃいちゃの日なの 13
だが、次のチップは少し大きすぎた。なのはの唇にそれを挟むと、2/3くらいがはみ出す。
先ほどと同じようにチップを引き抜いたなのはだったが、今度のは呑み込もうとしない。そして、下からフェイトの事をじっと見上げている。
フェイトはなのはの意図を測りかね、少し戸惑った。
「んー」
口にチップを咥えているので、しゃべることのできないなのはが、何かを訴えかける。はみ出たチップの先端がヒクヒクと蠢いた。
それを見たフェイトは、ハッとした顔をする。以心伝心。なのはの意図が判った。
だが、そんな事をしていいのだろうか? と少し躊躇う気持ちも起こる。
先ほどと同じようにチップを引き抜いたなのはだったが、今度のは呑み込もうとしない。そして、下からフェイトの事をじっと見上げている。
フェイトはなのはの意図を測りかね、少し戸惑った。
「んー」
口にチップを咥えているので、しゃべることのできないなのはが、何かを訴えかける。はみ出たチップの先端がヒクヒクと蠢いた。
それを見たフェイトは、ハッとした顔をする。以心伝心。なのはの意図が判った。
だが、そんな事をしていいのだろうか? と少し躊躇う気持ちも起こる。
なにが出るかな? 6
「じゃ……じゃぁ、探してみれば?」
睦月が反駁する。実は昼休みの後、ゆんなという嵐の動向を伺っていた晴宏は、自分に脅威が及ばない事を見て取るや、さっさと睦月の手から、グラビアを回収してしまった。例え検察庁が家宅捜査をしても、この部屋からは出ないのだ。
だが、
「た……高野クンに貸した可能性もあるアルね」
と、睦月な自信に一瞬は躊躇いを覚えた様子だったが、乙女の怒りでそれを建て直し、ゆんなはあくまでも疑う姿勢を崩さない。
「じゃ、どうすれば信じてもらえるのさ?」
温厚な睦月でも、こうまで疑いの目を向けられると、ちょっと気分が悪い。
睦月が反駁する。実は昼休みの後、ゆんなという嵐の動向を伺っていた晴宏は、自分に脅威が及ばない事を見て取るや、さっさと睦月の手から、グラビアを回収してしまった。例え検察庁が家宅捜査をしても、この部屋からは出ないのだ。
だが、
「た……高野クンに貸した可能性もあるアルね」
と、睦月な自信に一瞬は躊躇いを覚えた様子だったが、乙女の怒りでそれを建て直し、ゆんなはあくまでも疑う姿勢を崩さない。
「じゃ、どうすれば信じてもらえるのさ?」
温厚な睦月でも、こうまで疑いの目を向けられると、ちょっと気分が悪い。
さくらの恋人候補生 11
「ま、どうぞ」
そう言って処置室の中に案内する。
知世は幅の狭いベッドに横にされ、左腕には点滴の針が刺さっていた。眠っているのか、目を瞑っている。
「外傷はまったくありません。犬に襲われたとの連絡でしたが、どこも噛まれてはいないですよ」
医者の言葉に、全員が安堵の表情を浮かべた。何しろ相手は女のコである。飼い犬が噛み付いて、キズを残したとあっては、とんでもない事体になりかねない。
「ただ……相当に強い精神的ショックを受けたようです。頻拍発作と血圧低下が見られましたので、鎮静剤を点滴しています」
そう言って処置室の中に案内する。
知世は幅の狭いベッドに横にされ、左腕には点滴の針が刺さっていた。眠っているのか、目を瞑っている。
「外傷はまったくありません。犬に襲われたとの連絡でしたが、どこも噛まれてはいないですよ」
医者の言葉に、全員が安堵の表情を浮かべた。何しろ相手は女のコである。飼い犬が噛み付いて、キズを残したとあっては、とんでもない事体になりかねない。
「ただ……相当に強い精神的ショックを受けたようです。頻拍発作と血圧低下が見られましたので、鎮静剤を点滴しています」
なにが出るかな? 5
「と……いうわけで……誤解なんだよ……あれは晴宏に無理矢理……」
帰り道での説明をもう一度繰り返して、睦月はゆんなに理解を求めた。
だが、ゆんなは、
「そんなのウソアル!」
と、プイっと横を向いて完全無視。某マルクス主義の野党に、政権与党が法案成立の協力を要請したときのように、取り付く島すらない。
「ホントだよ……ボクはあんなのに……」
「あ~んなにえっちな顔で、真剣に見てたクセに、ウソついてもムダアル」
ゆんなは横目で睦月を睨み、言う。ゆんなのヴィジョンでは、晴宏と奪い合い、鼻息を荒くしてグラビアを見つめていた場面が映っていた。
帰り道での説明をもう一度繰り返して、睦月はゆんなに理解を求めた。
だが、ゆんなは、
「そんなのウソアル!」
と、プイっと横を向いて完全無視。某マルクス主義の野党に、政権与党が法案成立の協力を要請したときのように、取り付く島すらない。
「ホントだよ……ボクはあんなのに……」
「あ~んなにえっちな顔で、真剣に見てたクセに、ウソついてもムダアル」
ゆんなは横目で睦月を睨み、言う。ゆんなのヴィジョンでは、晴宏と奪い合い、鼻息を荒くしてグラビアを見つめていた場面が映っていた。
今日はいちゃいちゃの日なの 12
「ふーん、じゃぁ、この手はなにかなぁ?」
自分の胸元に置かれた掌の事を問うなのは。
「え………え~と………」
フェイトは暫く考えて、
「し……シートベルト?」
自分がリクライニングシート扱いされたことを利用して、そう言った。結構、ウィットを利かせたつもりだ。
「ふーん、じゃぁ、揺れるのかなぁ? フェイトちゃんが、ベッドで、私の脚を抱えて、ぐっぐっ、ってするときみたいに?」
さり気なさのなかに、えらく際どい例えをだされ、フェイトは真っ赤になる。
自分の胸元に置かれた掌の事を問うなのは。
「え………え~と………」
フェイトは暫く考えて、
「し……シートベルト?」
自分がリクライニングシート扱いされたことを利用して、そう言った。結構、ウィットを利かせたつもりだ。
「ふーん、じゃぁ、揺れるのかなぁ? フェイトちゃんが、ベッドで、私の脚を抱えて、ぐっぐっ、ってするときみたいに?」
さり気なさのなかに、えらく際どい例えをだされ、フェイトは真っ赤になる。
今日はいちゃいちゃの日なの 11
そうして互いに身体を摺り寄せながら、手探りのリモコン操作で、DVDの再生をスタートさせた。
「……私達に、魔法使いの映画見せて、どうするつもりなのかなぁ……」
アリサの選択感覚に、なのはは困ったような笑顔を浮かべた。
でも、これもアリサの「親心」。何かの理由で故郷の世界に帰ってきたとき、世間の話についてこれないと困るだろうからと、話題になったものは、こうして送ってきてくれる。
「箒がないと飛べないのは、不自由だね」
「まぁ、申請手続きとか、後で報告書は要らないみたいだけどねぇ」
フェイトの指摘に、なのはは笑った。
その間もフェイトは身体をぴったりと寄せ、なのはの肩に頭を預ける。なのはも同じようにフェイトにもたれかかり、互いで互いを支えあう状態。
「……私達に、魔法使いの映画見せて、どうするつもりなのかなぁ……」
アリサの選択感覚に、なのはは困ったような笑顔を浮かべた。
でも、これもアリサの「親心」。何かの理由で故郷の世界に帰ってきたとき、世間の話についてこれないと困るだろうからと、話題になったものは、こうして送ってきてくれる。
「箒がないと飛べないのは、不自由だね」
「まぁ、申請手続きとか、後で報告書は要らないみたいだけどねぇ」
フェイトの指摘に、なのはは笑った。
その間もフェイトは身体をぴったりと寄せ、なのはの肩に頭を預ける。なのはも同じようにフェイトにもたれかかり、互いで互いを支えあう状態。