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さくらのぶらじゃぁ初体験 25

管理

「えぇ!? だ、ダメだよ。今日の体育で使ったもん!」
 さくらは驚きの声をあげ、言った。まるで盗られまいとするかのように、体操着をしっかりと胸に抱きしめる。
 自分が着用した衣類──きちんと洗濯した後の物ならばともかく、汗の染み込んだそれを他人に貸すなどというのは、さくらにしてみれば言語道断だ。
 だが、知世はにっこりと笑うと、
「大丈夫ですわ。私は気にしませんもの……それに、私の体操着がお洗濯を終わって、乾いて戻ってくるのを待っていたら、ずっと遅くなってしまいます。なるべく早く、体操着でどう見えるか、確かめたいんです。お願いですさくらちゃん。貸していただけませんか?」
 そう言いながら両掌を合わせ、お祈りをするようにさくらに迫る。
「で……でも……」
 さくらは、知世と両手で抱きしめた体操着を交互に見つめた。
 知世の言う事はもっともである。なにしろ、本当にブラジャーを着けて学校に行くのは知世なのだ。知世でどう見えるか確かめないと、本来の意味は果たせない。
 自分の汗の染みた衣類を貸す事は躊躇われるが、まさか、洗濯と乾燥が終わるまで、このほとんど裸の格好で待っているわけにもいかないだろう。

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さくらのぶらじゃぁ初体験 24

管理

 一瞬の間。
「…………」
 言葉も無く、触れるでもなく、ただ正面を向き合う二人。お互いに、お互いのブラジャー姿をじっと見つめる無言の時間──
「うふふ………」
「あはは………」
 どちらから、というわけでもなく、笑みが浮かび、笑いあった。ほとんど変わらないはずなのに、裸の胸を見られたときのような恥ずかしさはなくなって、なんだか嬉しい気持ちが湧き上がる。
「さくらちゃん、とっても、可愛いですわ」
「そんな事ないよ。知世ちゃんの方が、すごくキレイで可愛いよ」
 さくらの一種のクセ。自分が褒められると、ついそれを打ち消すような言葉を発してしまう。控えめな心が生み出す心理なのだろう。それが判っているから、知世はあえてそれ以上は言わない。
 また、しばらく笑みを浮かべて、互いの下着姿を見つめあう。
 均衡を破ったのは、さくらだった。
 急に膝を折り、屈みこむ。床に積み重ねてある、制服をたたんで重ねた山を上から丁寧にどけていき、中着に指定されている濃紺のハイネックを取り出した。
「?」
 不思議そうに見つめる知世にはお構いなしで、さくらはハイネックに頭を通し、片方づつ、高々と腕をあげて通すと、裾を引っ張って身につける。 

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