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さくらのぶらじゃぁ初体験 13

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「うわぁ………」
 さくらが思わず感嘆の声をあげた。
 そのまま、知世を見つめ、固まってしまう。
 ただ一枚、真っ白なショーツのみを身に着けただけの知世の素肌は、抜けるような白さに僅かに血の色が透けて、言葉に出来ないほど綺麗だった。
 しんっ──と固まったかのような空気。耐え切れなくなった知世は固く瞑っていた目を、うっすらと開けた。
 さくらは、やや呆けたようにぽっかりと口を開け、瞬きも忘れてこっちを見つめている。身体中をムズムズした感じが這い回った。視線が知世の身体中をくすぐっていく。恥ずかくて、胸を抑えてうずくまりたかったが、さくらの視線を遮る事への畏れがそれを許さない。
 もう一度目を瞑り、ただ、ただ、さくらの熱線のような視線に耐えるしかなかった。
 どのくらいそうしていただろう。
 さくらは、膝と膝との間に置いていた両手を支えに、ゆっくりと立ち上がった。
 気配を察し、目を開けた知世をじっと見つめたまま、一歩前に出る。
 知世は思わず知らず、後ろに一歩退いた。だが、さくらは二歩、知世に近づく。さらに下がろうとする知世に、両手を持ち上げ近づいてくる。
 ついに耐え切れなくなり、知世は自らの胸を抱くように隠し、視線から逃げるように身体を捻った。
 その肩に、さくらはポンと手を置いた。息を呑み、上目で見上げる知世に息がかかるくらい顔を寄せる。
 この後、どうされてしまうのか、知世の心に不安が走ったその瞬間。愛らしい唇が言葉を紡いだ。
「……知世ちゃん、それじゃ見えないよ?……」
 もっと近くで見たかったのに、急に知世が胸を隠した事に対する抗議のようだ。イノセントな口調は、まるで見せて当然と言わんばかり。
「で、でも………もう……充分に見られたのでは?………」
「うん、でも、もう少しそばで見てみたい……いい……でしょう?……」
 問いかけるような、優しい口調は、知世がイヤといえばやめてくれそう。だが、逆にさくらが「見たい」と望んでいる事もありありと判る。恥ずかしくはあったが、さくらが望んでいることを拒む事は、知世には出来なかった。
 しばしの逡巡の後、観念したのか、知世は胸の前から腕を降ろし、身体の横に揃えると、ゆっくりと「気をつけ」の姿勢に戻った。
 真正面で向いあう、制服姿のさくらと、ショーツ一枚の知世。さくらは、嬉しそうな笑みを見せると、お辞儀をするように頭を下げ、知世の胸に顔を寄せた。
 ぴくっ、と身体にさざなみが走る。吐息が胸にかかったからだ。不思議そうに見上げるさくらに、知世は、薄目を開け、笑みを作る。気を取り直したのか、さくらはもう一度、知世の胸に顔を寄せた。
 天井からの灯りに照らされ、鎖骨から胸の上部は白く輝くかのよう。けれど注視すれば、虫刺されのような乳首より下が、緩いカーブを描いた、薄い影になっているのが判る。
 その影が何なのかを確かめるように、さくらは首をめぐらし、知世の胸を斜めから見る。すると、乳首を中心にほんのわずか、盛り上がっているのが判った。
「すごぉ~い!本当に膨らんでるよ!?」
 声音から興奮しているのがまるわかりのさくらは、左から右へ、右から左へと、まとわり付く仔猫のように、知世の周りを移動し、上から覗き込んだり、身を低くして見上げたりと、あらゆる方向から知世の胸のふくらみを、隅から隅まで観察する。
 知世は、血が出るくらいに唇を噛み締め、ただただ、さくらの視線に耐えていた。目を瞑り、なるべく感覚を遮断しようと努める。けれど、周囲を巡るさくらの気配が、熱い息遣いが、角度を替える度の歓喜の声が、知世に忘れる事を許さない。
 どのくらいそうしていたのか、さくらは見ているだけでは満足できなくなってきた。このうっすらとした膨らみはどんな感触なのか、実際に触って確かめたくなったのだ。
 殆ど無意識に右手を浮かせ、揃えた指を膨らみに近づける。その指先が乳首の少し上の肌に触れたとき、神経を伝って上がってきた感覚に、知世は両目を見開いた。
「きゃッ!!……」
 短い悲鳴を上げると、両腕で胸を抱くように隠し、身を捻り、しゃがみ込んだ。
 いきなり、胸を触られた女のコとしては、当然といえば当然の反応だったが、さくらにしてみれば、自分のした事が、すごくいけない事だったと咎めらた様に感じられた。
「ごめんなさい……ごめんなさい、知世ちゃん……」
 おろおろし、取り繕おうとしている内心をよく表した声音に、かえって知世の方が心を痛めた。
「いえ……あの……突然だったので……びっくりしてしまっただけで……」
 言った知世はゆっくり立ち上がったが、胸のところは腕を組むように隠してしまっている。
 申し訳なさそうに俯いたさくらは、けれどまだ未練があるのか、知世の胸をちら、ちらと見ていた。
「………ど……どうしても………お触りになりたいですか?……」
 知世はさくらの意図を察し、問いかける。さくらは、拒絶を受けた事にショックを受けつつも、興味を抑えきれず、小さく頷いた。
 胸を隠したまま、知世はしばらくの間、迷った。
 「見せる」のと「触らせる」のは、恥ずかしさの桁がひとつ以上違う。知世は、もしかしたら、諦めてくれるのではないか、という期待を、ほんの僅か持ってさくらを見たが、さくらの瞳はそれを諦め切れないようだ。
「あの……ちょっとだけ……ですよ?……」
 知世は胸を覆っていた腕を、ゆっくりと下ろす。
 びっくりしたように顔を上げたさくらは、
「い……いいの?」
 勢い込んでそう尋ねる。知世は頬を染めて、小さく頷いた。

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