さくらのぶらじゃぁ初体験 47
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そのとき──
キーン コーン カーン コーン
聞こえてきたチャイムに、全員が凍りついた。
2時間目の始業のチャイム。着替え終わって、グラウンドに出ていないといけない時間なのに、更衣室に女子全員が揃っている。
「大変だぁ!」
「急ごう!」
まだ、体操着に袖を通してないコも居て、まるで蜂の巣をつついたような大騒ぎ。さくらも知世も、まだ上半身は下着姿だし、下も白のプリーツスカートで、指定のスパッツすらまだ履いていない。
そのとき──
キーン コーン カーン コーン
聞こえてきたチャイムに、全員が凍りついた。
2時間目の始業のチャイム。着替え終わって、グラウンドに出ていないといけない時間なのに、更衣室に女子全員が揃っている。
「大変だぁ!」
「急ごう!」
まだ、体操着に袖を通してないコも居て、まるで蜂の巣をつついたような大騒ぎ。さくらも知世も、まだ上半身は下着姿だし、下も白のプリーツスカートで、指定のスパッツすらまだ履いていない。
大慌てで体操着に袖を通し、スカートのホック外す。ロッカーに放り込みたいところだが、それではシワになってしまうので出来ない。とにかく一応畳んだという体裁で上着の上につくね、代わりに手に取ったスパッツを急いで履いた。
もうほとんど着替え終わっていた段階のコ達が、先導を切るようにバタバタと飛び出していく。
「待ってよぉ!」
遅れ気味のコが抗議の声をあげるが、無情にも置いていかれた。
寝坊をする事が割りと多く、着替えのタイムレコードに普段から挑戦しているさくらも、知世よりは早く着替え終わった。
「さくらちゃん、お先にどうぞ」
そうは言われても、さくらの性格では知世を置いて先にいけない。少しでも進めるため、手伝う事にする。
体操着に頭を通し長い髪を苦労して通した知世に、ロッカーから出したスパッツを渡した。瞬間で意図を察した知世は、プリーツスカートを脱ぎに蚊かかる。互いにそれを交換し、さくらはスカートを畳んで、知世はスパッツを履く。
スカートを畳み終えたさくらは、知世の後ろに周り、髪を両手で束ねるようにそっと掴んだ。普段の体育の時は、一本の三つ編みにするのだが、今日は時間がない。ゴムで留め、ポニーテールにするのが精一杯だ。
「ありがとうございます」
微笑み、礼を言う知世の手を取ると、さくらは一気に更衣室を飛び出した。
外用の靴に履き替え、グラウンドに出ると、すでに男子と寺田が待っていた。
「遅いぞ」
寺田が言う。焦って走ったせいか、女子はみな肩で息をしている。
「なにしてたんだ?」
寺田の声に、さくらは思わず固まった。
さくらの脳裏で、恐怖のビジュアルが上映される。
女のコの誰かが、「さくらちゃんのブラジャーを見せてもらってました」と正直に告白したら? 寺田や男のコ達の視線が集まったりしたら? そして「見せてよ」なんて男のコに言われたりしたら?
冗談ではない。藤隆や桃矢にだって見せられっこないのに、そんな事になったりしたら、恥ずかしくて死んでしまう。
だが、さすがは女のコ同士である。例え自分のものでなくても、下着の話を異性にしようという者はいなかった。
「えへへ……ちょっと…………」
千春の曖昧な返事に、寺田も男子達もそれ以上、突っ込んで訊いてくる事はなかった。さくらは安堵し、ホッとため息をつく。
今日のカリキュラムは、前回の体育に続き、器械体操の鉄棒。課題はさか上がりだった。
全員が一斉に鉄棒にとりつける訳ではないので、グラウンドに座って順番を待つ時間が発生する。並んださくらと知世に、女のコの視線が集中する。
知世の部屋で確認したとおり、体操着はわずかに下着を透かして見せる。周囲の女のコ達は、更衣室で見ているだけに、ブラジャーのラインが気になるのだろう。
二人とも、その視線にくすぐったいものを感じ、見られる事が恥ずかしかったが、自分ひとりではないから、耐えられないほど恥ずかしいわけではなかった。
「次、木之本」
名前を呼ばれて立ち上がると、やっぱり視線が集中する。なにかヒソヒソと話している声もする。それは、知世が呼ばれたときも同じだった。
何とか、体育の時間を無事に終え、再び更衣室でも視線が集中しているのを感じた。だが、悪意は感じないので、そのままにしておく。3時間目の社会の時間も、なにか視線がこっちを向いているのを感じた。
やはりこの年頃の女のコ達にしてみれば、自分達の前に初めて登場した「ブラジャー」に興味津々。どんな場面では、どう見えるのか、そうしたことが知りたくて堪らないのだろう。
もうほとんど着替え終わっていた段階のコ達が、先導を切るようにバタバタと飛び出していく。
「待ってよぉ!」
遅れ気味のコが抗議の声をあげるが、無情にも置いていかれた。
寝坊をする事が割りと多く、着替えのタイムレコードに普段から挑戦しているさくらも、知世よりは早く着替え終わった。
「さくらちゃん、お先にどうぞ」
そうは言われても、さくらの性格では知世を置いて先にいけない。少しでも進めるため、手伝う事にする。
体操着に頭を通し長い髪を苦労して通した知世に、ロッカーから出したスパッツを渡した。瞬間で意図を察した知世は、プリーツスカートを脱ぎに蚊かかる。互いにそれを交換し、さくらはスカートを畳んで、知世はスパッツを履く。
スカートを畳み終えたさくらは、知世の後ろに周り、髪を両手で束ねるようにそっと掴んだ。普段の体育の時は、一本の三つ編みにするのだが、今日は時間がない。ゴムで留め、ポニーテールにするのが精一杯だ。
「ありがとうございます」
微笑み、礼を言う知世の手を取ると、さくらは一気に更衣室を飛び出した。
外用の靴に履き替え、グラウンドに出ると、すでに男子と寺田が待っていた。
「遅いぞ」
寺田が言う。焦って走ったせいか、女子はみな肩で息をしている。
「なにしてたんだ?」
寺田の声に、さくらは思わず固まった。
さくらの脳裏で、恐怖のビジュアルが上映される。
女のコの誰かが、「さくらちゃんのブラジャーを見せてもらってました」と正直に告白したら? 寺田や男のコ達の視線が集まったりしたら? そして「見せてよ」なんて男のコに言われたりしたら?
冗談ではない。藤隆や桃矢にだって見せられっこないのに、そんな事になったりしたら、恥ずかしくて死んでしまう。
だが、さすがは女のコ同士である。例え自分のものでなくても、下着の話を異性にしようという者はいなかった。
「えへへ……ちょっと…………」
千春の曖昧な返事に、寺田も男子達もそれ以上、突っ込んで訊いてくる事はなかった。さくらは安堵し、ホッとため息をつく。
今日のカリキュラムは、前回の体育に続き、器械体操の鉄棒。課題はさか上がりだった。
全員が一斉に鉄棒にとりつける訳ではないので、グラウンドに座って順番を待つ時間が発生する。並んださくらと知世に、女のコの視線が集中する。
知世の部屋で確認したとおり、体操着はわずかに下着を透かして見せる。周囲の女のコ達は、更衣室で見ているだけに、ブラジャーのラインが気になるのだろう。
二人とも、その視線にくすぐったいものを感じ、見られる事が恥ずかしかったが、自分ひとりではないから、耐えられないほど恥ずかしいわけではなかった。
「次、木之本」
名前を呼ばれて立ち上がると、やっぱり視線が集中する。なにかヒソヒソと話している声もする。それは、知世が呼ばれたときも同じだった。
何とか、体育の時間を無事に終え、再び更衣室でも視線が集中しているのを感じた。だが、悪意は感じないので、そのままにしておく。3時間目の社会の時間も、なにか視線がこっちを向いているのを感じた。
やはりこの年頃の女のコ達にしてみれば、自分達の前に初めて登場した「ブラジャー」に興味津々。どんな場面では、どう見えるのか、そうしたことが知りたくて堪らないのだろう。
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