なにが出るかな? 6
「じゃ……じゃぁ、探してみれば?」
睦月が反駁する。実は昼休みの後、ゆんなという嵐の動向を伺っていた晴宏は、自分に脅威が及ばない事を見て取るや、さっさと睦月の手から、グラビアを回収してしまった。例え検察庁が家宅捜査をしても、この部屋からは出ないのだ。
だが、
「た……高野クンに貸した可能性もあるアルね」
と、睦月な自信に一瞬は躊躇いを覚えた様子だったが、乙女の怒りでそれを建て直し、ゆんなはあくまでも疑う姿勢を崩さない。
「じゃ、どうすれば信じてもらえるのさ?」
温厚な睦月でも、こうまで疑いの目を向けられると、ちょっと気分が悪い。
睦月が反駁する。実は昼休みの後、ゆんなという嵐の動向を伺っていた晴宏は、自分に脅威が及ばない事を見て取るや、さっさと睦月の手から、グラビアを回収してしまった。例え検察庁が家宅捜査をしても、この部屋からは出ないのだ。
だが、
「た……高野クンに貸した可能性もあるアルね」
と、睦月な自信に一瞬は躊躇いを覚えた様子だったが、乙女の怒りでそれを建て直し、ゆんなはあくまでも疑う姿勢を崩さない。
「じゃ、どうすれば信じてもらえるのさ?」
温厚な睦月でも、こうまで疑いの目を向けられると、ちょっと気分が悪い。
「……ど……どうって……」
声音に宿る不機嫌を感じ取ったゆんなは、ちょっと言い過ぎたかな? と心の隅で思ったが、いまさら引っ込みがつかない。
第一、男のコはこういう時は徹底的に謝るべきで、逆切れするなんてもってのほかだという思いもあって、半ば意地になって言った。
「だから……自分で勝手におちんちん擦って出せばいいアル。ゆんは知らないアル」
そう言って、プイッと横を向く。その態度に、内心ではかなり怒った睦月が、いつもなら絶対に言わない台詞をボソッと呟いた。
「じゃ……じゃぁ、帰ってよ……」
だが、その一言にゆんなは気色ばみ、
「ゆんが居ると出来ないアルか?!」
と、掴みかからんばかりに言った。
心の中では、もう一人のゆんなが、「これは言い過ぎアル、今すぐ謝るアル」と一生懸命に耳打ちするのだが、自分が居なくなったのを良いことに、あのグラビアを拡げてペニスをしごく睦月が頭の中に浮かぶと、それを許す事ができなかった。
「あ、当たり前でしょ?!」
「やっぱり、えっちな本とか隠してるアルね? だから見せられないアルね?」
男のコの微妙な心理として、女のコの前でシコシコしたり出来ないという主張を、自分がいるとスケベ本が出せないと取ったゆんなが詰め寄る。
「ち……ちがうよ!」
「じゃぁ、やってみせるよろし!」
「あのねぇ……」
呆れる睦月にゆんなは、
「今日はゆんに命令権があるアル! おなにぃスルとこ、見せるアル!」
と、つい先ほどまで忘れていたサイコロの結果を持ち出した。
「そ……そんなのボクやだよ……できないよ……」
と、睦月が断固拒否を主張すれば、
「なんで出来ないアルか? 奇数が出たんだから、ゆんの言う事聞くアル。ゆんの前で、おなにぃして見せるアル!」
噛み付くように言うゆんな。論理的に考えるとありえないのだが、目の前でオナニーさせる事で、睦月がオナペットにしているえっちな本などを出させる事ができるような気がしていた。
だから、
「ねぇ……お願いだよ……それ以外なら、ゆんゆんの言う事、なんでも聞くから……ね?……」
と、睦月があくまで低姿勢に出てみても効果は無い。それは、ゆんなにとっては、オナペットを隠すためにそう言っているようにしか聞こえないからだ。
「ダメったら、ダメアル! 睦月はおなにぃして見せるアル」
と、ますますムキになるばかりである。
「ねぇ、ゆんゆん」
一方の睦月は、ますます低姿勢。何しろ手元には、えっちな本など無いのだ。疑いをかけられた上、好きな女のコの前でオナニーしないといけないなんて事態は絶対に避けたい。
けれど、
「ダメアル」
と拒絶を喰らうばかり。何度、言ってみてもダメだ。
だが、ゆんなの中では、少しずつだが変化が現れていた。ここまで頑なに拒否するというのは、もしかすると、睦月はえっちな本などを持っていないのではないのか? という思いが芽生え始めていた。
「ダメったら、ダメアル!」
何度目かの拒絶を言いながら、ゆんなは、もう一回、睦月がお願いしてきたら、撤回しようと思い始めていた。
声音に宿る不機嫌を感じ取ったゆんなは、ちょっと言い過ぎたかな? と心の隅で思ったが、いまさら引っ込みがつかない。
第一、男のコはこういう時は徹底的に謝るべきで、逆切れするなんてもってのほかだという思いもあって、半ば意地になって言った。
「だから……自分で勝手におちんちん擦って出せばいいアル。ゆんは知らないアル」
そう言って、プイッと横を向く。その態度に、内心ではかなり怒った睦月が、いつもなら絶対に言わない台詞をボソッと呟いた。
「じゃ……じゃぁ、帰ってよ……」
だが、その一言にゆんなは気色ばみ、
「ゆんが居ると出来ないアルか?!」
と、掴みかからんばかりに言った。
心の中では、もう一人のゆんなが、「これは言い過ぎアル、今すぐ謝るアル」と一生懸命に耳打ちするのだが、自分が居なくなったのを良いことに、あのグラビアを拡げてペニスをしごく睦月が頭の中に浮かぶと、それを許す事ができなかった。
「あ、当たり前でしょ?!」
「やっぱり、えっちな本とか隠してるアルね? だから見せられないアルね?」
男のコの微妙な心理として、女のコの前でシコシコしたり出来ないという主張を、自分がいるとスケベ本が出せないと取ったゆんなが詰め寄る。
「ち……ちがうよ!」
「じゃぁ、やってみせるよろし!」
「あのねぇ……」
呆れる睦月にゆんなは、
「今日はゆんに命令権があるアル! おなにぃスルとこ、見せるアル!」
と、つい先ほどまで忘れていたサイコロの結果を持ち出した。
「そ……そんなのボクやだよ……できないよ……」
と、睦月が断固拒否を主張すれば、
「なんで出来ないアルか? 奇数が出たんだから、ゆんの言う事聞くアル。ゆんの前で、おなにぃして見せるアル!」
噛み付くように言うゆんな。論理的に考えるとありえないのだが、目の前でオナニーさせる事で、睦月がオナペットにしているえっちな本などを出させる事ができるような気がしていた。
だから、
「ねぇ……お願いだよ……それ以外なら、ゆんゆんの言う事、なんでも聞くから……ね?……」
と、睦月があくまで低姿勢に出てみても効果は無い。それは、ゆんなにとっては、オナペットを隠すためにそう言っているようにしか聞こえないからだ。
「ダメったら、ダメアル! 睦月はおなにぃして見せるアル」
と、ますますムキになるばかりである。
「ねぇ、ゆんゆん」
一方の睦月は、ますます低姿勢。何しろ手元には、えっちな本など無いのだ。疑いをかけられた上、好きな女のコの前でオナニーしないといけないなんて事態は絶対に避けたい。
けれど、
「ダメアル」
と拒絶を喰らうばかり。何度、言ってみてもダメだ。
だが、ゆんなの中では、少しずつだが変化が現れていた。ここまで頑なに拒否するというのは、もしかすると、睦月はえっちな本などを持っていないのではないのか? という思いが芽生え始めていた。
「ダメったら、ダメアル!」
何度目かの拒絶を言いながら、ゆんなは、もう一回、睦月がお願いしてきたら、撤回しようと思い始めていた。