さくらのぶらじゃぁ初体験 53
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どのくらい、そうして沈黙していただろうか。
『……ありがとう、利佳ちゃん。とっても参考になったわ。電話を知世に返してくれる?』
と、園美の声。どうやら羞恥の質問タイムは、これで終わりのようである。
「あ、はい……」
利佳は心底、ほっとしたため息を漏らした。
「知世ちゃん、電話もどしてって」」
そういって、携帯電話を持ち主に返す。受け取った知世が耳にあてるなり、
『知世? 悪いんだけど、今度は店員さんに変わって?』
と勢い込んで頼んでくる。
どのくらい、そうして沈黙していただろうか。
『……ありがとう、利佳ちゃん。とっても参考になったわ。電話を知世に返してくれる?』
と、園美の声。どうやら羞恥の質問タイムは、これで終わりのようである。
「あ、はい……」
利佳は心底、ほっとしたため息を漏らした。
「知世ちゃん、電話もどしてって」」
そういって、携帯電話を持ち主に返す。受け取った知世が耳にあてるなり、
『知世? 悪いんだけど、今度は店員さんに変わって?』
と勢い込んで頼んでくる。
了承を伝えた知世は、さくらと知世に向かい、
「すみません。ちょっと店員さんとお話してきますわ」
そう言って、カーテンをそっと開けると出て行った。
「なにかしら?」
「なんだろうね?」
そう言って、利佳とさくらはしばらく顔を見合わせる。手持ち無沙汰で、なにをしていいのか判らない時間。特に利佳は試着のブラジャー姿だから困ってしまう。
「じゃぁ、もう着ちゃおうか?」
そんな恥ずかしそうな表情を汲んだのか、さくらが提案する。
知世が店員になんの用事かは判らないが、待っている間に着替えを済ませていても悪いという事はないだろう。
「うん」
返事をした利佳が、二着目のブラジャーをゆっくりと脱ぎにかかった。
ゆっくりと交差した腕で下端をめくり上げ、万歳をするようなポーズでそれを脱いだったそのとき──
「利佳ちゃん、さくらちゃん、ちょっと待ってください」
知世が少しあわてた様子でカーテンの隙間から入ってきた。突然の闖入にあわてた利佳は、裸の胸に脱いだばかりのブラジャーをあてがって隠す。
「予定変更ですわ。これも試着してみてくださいな」
そう言って差し出した手に、予定になかったミントグリーンとホワイトのストライプ模様のファーストブラを握っていた。
さくらとしばし、顔を見合わせた利佳は、
「あの……知世ちゃん……わたしふたつまでしか……」
と、手持ちの金銭を気にして、遠慮がちに言う。
だが、知世はにっこりと微笑むと、
「母から、『情報提供料という事で、9割引にするように』と言われましたわ」
と、電話の内容を告げた。
「9割引?」
さくらが問い返す。
「ええ、母にとっては、利佳ちゃんのお話がとても役に立ったようですわの。ですから、差額分をもつと言っています。お店の方にもお話済みですわ」
慈母のような笑みを浮かべ、事情を話した。
「それなら、もっといっぱい試せるね。利佳ちゃん」
さくらが妙に嬉しそうに言う。
「え?……あ……ちょっと……」
突然の展開についていけない利佳が交互に見て、どうしていいのか判らないという表情を浮かべた。だが、この状況では、利佳は等身大の着せ替え人形みたいなものだ。知世がすでに一着を持ってきた事でも、ふたりが利佳に似合うブラジャーを選ぶ事を心から楽しんでいるのが判る。
「そうですね。私達と同じくらいは……」
「わたしも、似合いそうなの選んでくる」
言うなり、さくらはカーテンの隙間から売り場へと飛び出していった。
それを笑みを浮かべて見送った知世は、利佳に向き直ると、
「さ、利佳ちゃん、どうぞ?」
と持っていたブラジャーを差し出す。利佳はあきらめ、ため息をつき、それに袖を通した。それを着終わった頃、今度はさくらが選んだブラを持ってくる。
それらを次々に試着する利佳。着て、脱いで、また着てと慌しい。
もちろん、自分達が着せられたショーツと組になったブラも、さくらと知世は外したりしなかった。
「も……もしかして………ぱ……ぱんつも……試着する……の?……」
自分も言ったような台詞で抵抗を示す利佳。けれど、下着の上下揃えると統一感が出て良いことを経験しているふたりに、代わる代わる試着を促され、せっかくの好意を無にする事を恐れたのか、ゆっくりとショーツを脱いだ。
ホワイトで同じロゴが上下に入ったブラとショーツのセットは、すっきりした利佳の肢体によく似合っていた。嬉しそうなさくらに手放しで褒められ、利佳は頬を赤らめた。
さらに数着のブラを試着し、合計で、1ダースほどのファーストブラと組になったショーツを手にした利佳は、本当に割引になるのかとややドキドキしながら会計を済ませ、約束通りの金額でそれを自分のものとした。
「ありがとう、さくらちゃん、知世ちゃん」
紙袋を嬉しそうに胸に抱いた利佳を見て、ふたりは満足そうな笑みを浮かべた。
「すみません。ちょっと店員さんとお話してきますわ」
そう言って、カーテンをそっと開けると出て行った。
「なにかしら?」
「なんだろうね?」
そう言って、利佳とさくらはしばらく顔を見合わせる。手持ち無沙汰で、なにをしていいのか判らない時間。特に利佳は試着のブラジャー姿だから困ってしまう。
「じゃぁ、もう着ちゃおうか?」
そんな恥ずかしそうな表情を汲んだのか、さくらが提案する。
知世が店員になんの用事かは判らないが、待っている間に着替えを済ませていても悪いという事はないだろう。
「うん」
返事をした利佳が、二着目のブラジャーをゆっくりと脱ぎにかかった。
ゆっくりと交差した腕で下端をめくり上げ、万歳をするようなポーズでそれを脱いだったそのとき──
「利佳ちゃん、さくらちゃん、ちょっと待ってください」
知世が少しあわてた様子でカーテンの隙間から入ってきた。突然の闖入にあわてた利佳は、裸の胸に脱いだばかりのブラジャーをあてがって隠す。
「予定変更ですわ。これも試着してみてくださいな」
そう言って差し出した手に、予定になかったミントグリーンとホワイトのストライプ模様のファーストブラを握っていた。
さくらとしばし、顔を見合わせた利佳は、
「あの……知世ちゃん……わたしふたつまでしか……」
と、手持ちの金銭を気にして、遠慮がちに言う。
だが、知世はにっこりと微笑むと、
「母から、『情報提供料という事で、9割引にするように』と言われましたわ」
と、電話の内容を告げた。
「9割引?」
さくらが問い返す。
「ええ、母にとっては、利佳ちゃんのお話がとても役に立ったようですわの。ですから、差額分をもつと言っています。お店の方にもお話済みですわ」
慈母のような笑みを浮かべ、事情を話した。
「それなら、もっといっぱい試せるね。利佳ちゃん」
さくらが妙に嬉しそうに言う。
「え?……あ……ちょっと……」
突然の展開についていけない利佳が交互に見て、どうしていいのか判らないという表情を浮かべた。だが、この状況では、利佳は等身大の着せ替え人形みたいなものだ。知世がすでに一着を持ってきた事でも、ふたりが利佳に似合うブラジャーを選ぶ事を心から楽しんでいるのが判る。
「そうですね。私達と同じくらいは……」
「わたしも、似合いそうなの選んでくる」
言うなり、さくらはカーテンの隙間から売り場へと飛び出していった。
それを笑みを浮かべて見送った知世は、利佳に向き直ると、
「さ、利佳ちゃん、どうぞ?」
と持っていたブラジャーを差し出す。利佳はあきらめ、ため息をつき、それに袖を通した。それを着終わった頃、今度はさくらが選んだブラを持ってくる。
それらを次々に試着する利佳。着て、脱いで、また着てと慌しい。
もちろん、自分達が着せられたショーツと組になったブラも、さくらと知世は外したりしなかった。
「も……もしかして………ぱ……ぱんつも……試着する……の?……」
自分も言ったような台詞で抵抗を示す利佳。けれど、下着の上下揃えると統一感が出て良いことを経験しているふたりに、代わる代わる試着を促され、せっかくの好意を無にする事を恐れたのか、ゆっくりとショーツを脱いだ。
ホワイトで同じロゴが上下に入ったブラとショーツのセットは、すっきりした利佳の肢体によく似合っていた。嬉しそうなさくらに手放しで褒められ、利佳は頬を赤らめた。
さらに数着のブラを試着し、合計で、1ダースほどのファーストブラと組になったショーツを手にした利佳は、本当に割引になるのかとややドキドキしながら会計を済ませ、約束通りの金額でそれを自分のものとした。
「ありがとう、さくらちゃん、知世ちゃん」
紙袋を嬉しそうに胸に抱いた利佳を見て、ふたりは満足そうな笑みを浮かべた。