さくらのぶらじゃぁ初体験 49
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校門前にクルマが止まり、運転手兼ボディーガードが降りてきて後部座席のドアをうやうやしく開けると、知世はまずさくらに乗るように促した。
続いて利佳、最後に自分が乗り込む。当人は無意識だが、連行する人間を中央に座らせ、両側を係員で挟むのは、ごく基本的な対応だ。
不安そうな利佳の心をほぐそうと、取り留めのない話をして気持ちを紛らわせる。そうこうするうち、目的のデパートの地下駐車場に入った。
運転手兼ボディーガードには待つように伝え、三人はエレベーターで目的の階へ上がる。エレベーターから暫く歩くと、目的の女性下着売り場が見えてきた。
「うわぁ……」
利佳が感嘆の声をあげる。さくらはその表情を見て、ほんの少し懐かしいというか、優越感のようなものを感じた。何しろ、反応がつい一昨日、自分が同じだったから。
校門前にクルマが止まり、運転手兼ボディーガードが降りてきて後部座席のドアをうやうやしく開けると、知世はまずさくらに乗るように促した。
続いて利佳、最後に自分が乗り込む。当人は無意識だが、連行する人間を中央に座らせ、両側を係員で挟むのは、ごく基本的な対応だ。
不安そうな利佳の心をほぐそうと、取り留めのない話をして気持ちを紛らわせる。そうこうするうち、目的のデパートの地下駐車場に入った。
運転手兼ボディーガードには待つように伝え、三人はエレベーターで目的の階へ上がる。エレベーターから暫く歩くと、目的の女性下着売り場が見えてきた。
「うわぁ……」
利佳が感嘆の声をあげる。さくらはその表情を見て、ほんの少し懐かしいというか、優越感のようなものを感じた。何しろ、反応がつい一昨日、自分が同じだったから。
「さ、参りましょう」
知世がにこやかに微笑んで、スタスタと下着売り場へ歩いていく。流石に3度目ともあって、多少は下着売り場の雰囲気に慣れたようだ。
その後ろを、少し恥ずかしそうなさくらが周囲を見回しつつ、ついていく。利佳はといえば、マネキンやトルソー、そして一面に飾られたオトナのランジェリーにすっかりあてられ、口をぽっかりと開けてしまっていた。
すこしハデめ赤や黒。バラのような花の装飾。そうしたものを、自分の頭の中で自分自身にあてがっては、恥ずかしさに目を逸らしてしまう。
「利佳ちゃん、こっちだよ」
さくらに声をかけられて、利佳は真っ赤になって走り寄る。周りに居る人ばかりか、今、このデパートに居る全ての人、果ては、友枝町のすべての人に想像していたことを覗き見られた気がして恥ずかしい。
「こんにちわ」
知世が挨拶をしたのは、一昨日、ふたりのブラジャーの見立てに協力してくれた店員。相手も知世の顔は覚えていた。もっとも、あれだけの量のブラジャーを一気に購入した上客なのだから、覚えていないとしたら、商売人失格ではある。
「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件ですか?」
言いながら軽く見回す。お金を出す人である「園美」の姿を探してたいたのは、悲しい商売人の性である。
「今日は、お友達のを選びに来ましたの」
言って振り返り、利佳を見た。店員がそれを追いかけたため、ふたりの視線をいっぺんに浴びた利佳は、思わずぺこりと頭を下げてしまう。
「そうですか、それでは、あちらにどうぞ」
と、奥まったところにある試着室を示す。子供だけでも「お客」としての対応を崩さないところもまた、プロだった。
「え? 試着?」
「そうだよ。サイズを測ってもらって、試しにつけて選ばないと」
言いながら、手を引いて利佳を案内するさくら。利佳は、その言葉に半ばパニックになった。
「は……は……測るの? む……胸を……?」
「うん。わたしも一昨日、してもらったから大丈夫だよ。ちょっとメジャーで測るだけだから」
利佳の表情から、自分と同じように未経験の事への心配をしているのだと悟ったさくらは、経験者としての優しいアドバイスをしながら利佳を試着室へ連れて行った。
押し込むように利佳を試着室に入れて、自分も入り、カーテンを念入りに閉める。
「測るときは、上は下着だけでもいいけど、試着があるから、脱いだほうが楽だよ」
振り返ったさくらは、にこやかに笑ってそう言った。そして、右手を利佳に向かって差し出す。
その手の意味を、利佳は少しだけ考えた。
程なくして、さくらの視線が自分の胸元にあることに気付く。という事は、タイを解いて渡して──という意味なのだろう。
利佳はちょっとだけ躊躇った。正直に言えば恥ずかしい。できたら、出ていて欲しい。けれど、相手は同じ女のコ。しかも親友である。今日も体育で同じ部屋で着替えたのに、今更、恥ずかしいから出て欲しいとは言い難い。
少し迷ったが、思い切ってタイを解き、さくらに渡した。
それを腕に引っ掛けたさくらは、今度は両手を差し出す。制服の上着を受け取る体制だ。
逆らえず、制服のファスナーを下ろした利佳は、両手を交差させて裾を掴み、持ち上げた。頭を抜き、片方づつ腕を抜き取ると、待ち構えているさくらにそれを渡す。
もちろん、さくらは続けてハイネックを要求し、両腕を利佳に差し出したままだ。
利佳は恥ずかしかったが、今更やめるとも言えないので、仕方なしにハイネック中着の裾をつまみ引き上げた。さくらの目に、下着として着ている白いキャミソールがコントラストとして飛び込んでくる。
さくらは、利佳がハイネック中着から頭を抜き、つづいて片方づつ腕を抜いている間、胸元をじっと見つめた。体育の着替えのときも見ていたのだが、友人の胸の膨らみ具合は気になる。
知世がにこやかに微笑んで、スタスタと下着売り場へ歩いていく。流石に3度目ともあって、多少は下着売り場の雰囲気に慣れたようだ。
その後ろを、少し恥ずかしそうなさくらが周囲を見回しつつ、ついていく。利佳はといえば、マネキンやトルソー、そして一面に飾られたオトナのランジェリーにすっかりあてられ、口をぽっかりと開けてしまっていた。
すこしハデめ赤や黒。バラのような花の装飾。そうしたものを、自分の頭の中で自分自身にあてがっては、恥ずかしさに目を逸らしてしまう。
「利佳ちゃん、こっちだよ」
さくらに声をかけられて、利佳は真っ赤になって走り寄る。周りに居る人ばかりか、今、このデパートに居る全ての人、果ては、友枝町のすべての人に想像していたことを覗き見られた気がして恥ずかしい。
「こんにちわ」
知世が挨拶をしたのは、一昨日、ふたりのブラジャーの見立てに協力してくれた店員。相手も知世の顔は覚えていた。もっとも、あれだけの量のブラジャーを一気に購入した上客なのだから、覚えていないとしたら、商売人失格ではある。
「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件ですか?」
言いながら軽く見回す。お金を出す人である「園美」の姿を探してたいたのは、悲しい商売人の性である。
「今日は、お友達のを選びに来ましたの」
言って振り返り、利佳を見た。店員がそれを追いかけたため、ふたりの視線をいっぺんに浴びた利佳は、思わずぺこりと頭を下げてしまう。
「そうですか、それでは、あちらにどうぞ」
と、奥まったところにある試着室を示す。子供だけでも「お客」としての対応を崩さないところもまた、プロだった。
「え? 試着?」
「そうだよ。サイズを測ってもらって、試しにつけて選ばないと」
言いながら、手を引いて利佳を案内するさくら。利佳は、その言葉に半ばパニックになった。
「は……は……測るの? む……胸を……?」
「うん。わたしも一昨日、してもらったから大丈夫だよ。ちょっとメジャーで測るだけだから」
利佳の表情から、自分と同じように未経験の事への心配をしているのだと悟ったさくらは、経験者としての優しいアドバイスをしながら利佳を試着室へ連れて行った。
押し込むように利佳を試着室に入れて、自分も入り、カーテンを念入りに閉める。
「測るときは、上は下着だけでもいいけど、試着があるから、脱いだほうが楽だよ」
振り返ったさくらは、にこやかに笑ってそう言った。そして、右手を利佳に向かって差し出す。
その手の意味を、利佳は少しだけ考えた。
程なくして、さくらの視線が自分の胸元にあることに気付く。という事は、タイを解いて渡して──という意味なのだろう。
利佳はちょっとだけ躊躇った。正直に言えば恥ずかしい。できたら、出ていて欲しい。けれど、相手は同じ女のコ。しかも親友である。今日も体育で同じ部屋で着替えたのに、今更、恥ずかしいから出て欲しいとは言い難い。
少し迷ったが、思い切ってタイを解き、さくらに渡した。
それを腕に引っ掛けたさくらは、今度は両手を差し出す。制服の上着を受け取る体制だ。
逆らえず、制服のファスナーを下ろした利佳は、両手を交差させて裾を掴み、持ち上げた。頭を抜き、片方づつ腕を抜き取ると、待ち構えているさくらにそれを渡す。
もちろん、さくらは続けてハイネックを要求し、両腕を利佳に差し出したままだ。
利佳は恥ずかしかったが、今更やめるとも言えないので、仕方なしにハイネック中着の裾をつまみ引き上げた。さくらの目に、下着として着ている白いキャミソールがコントラストとして飛び込んでくる。
さくらは、利佳がハイネック中着から頭を抜き、つづいて片方づつ腕を抜いている間、胸元をじっと見つめた。体育の着替えのときも見ていたのだが、友人の胸の膨らみ具合は気になる。