さくらのぶらじゃぁ初体験 39
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「これも……って?……」
さくらは手に持ったハンガーに目を落とした。園美の言葉の意味を、頭の中で反芻する。あえてこれを渡し、試着しろと言って来た以上、他に考えようはないが、それでもさくらは助けを求めるような気持ちで、疑問の言葉を口にした。
「も……もしかして……その……ぱ……ぱんつも……試着ですか?」
先ほどは、両手でハンガー部分を軽く摘むようにして、ただ自分の前に下げていただけだったのに、今は最後の砦として、左手で胸に、右手で下腹にと、しっかり押し付けている。
そんな様子を見た園美は、ほんの数瞬の思考で、さくらをどう説得するかの答えを導き出した。
「ええ。そうだけど…………なにか、へん?」
きょとんとした表情をわざと作り、答えた。すごく当たり前のことを敢えて問われて困惑しているという演技。そういう態度を取ることで、さくらに「これを断ったら、ヘンに思われるかも」と思わせる事だった。
「これも……って?……」
さくらは手に持ったハンガーに目を落とした。園美の言葉の意味を、頭の中で反芻する。あえてこれを渡し、試着しろと言って来た以上、他に考えようはないが、それでもさくらは助けを求めるような気持ちで、疑問の言葉を口にした。
「も……もしかして……その……ぱ……ぱんつも……試着ですか?」
先ほどは、両手でハンガー部分を軽く摘むようにして、ただ自分の前に下げていただけだったのに、今は最後の砦として、左手で胸に、右手で下腹にと、しっかり押し付けている。
そんな様子を見た園美は、ほんの数瞬の思考で、さくらをどう説得するかの答えを導き出した。
「ええ。そうだけど…………なにか、へん?」
きょとんとした表情をわざと作り、答えた。すごく当たり前のことを敢えて問われて困惑しているという演技。そういう態度を取ることで、さくらに「これを断ったら、ヘンに思われるかも」と思わせる事だった。
案の定、さくらは言葉を失い、立ち尽くしている。
ブラジャーそのものがはじめてだったし、この下着売り場に入ってきたときの様子から見ても、下着を試着して購入した事など無いのだろう。そんなさくらに、厚手とはいえ、カーテンでしか遮られていない場所で、ショーツまで脱げというのは、かなり抵抗があるに違いない。
その抵抗を突き崩すには、試着室の中では脱いで当たり前という態度を取るのが一番だ。なに、上半身は裸になるのが平気になったのだから、抵抗は最初だけに違いない。
やや俯き、上目遣いに園美を見るさくらの目は、助けを求めているようでもある。恥ずかしいのか、朱にそまった頬が愛らしくて堪らない。抱きしめて、さくらの身体中に頬擦りしたくなってしまう。だが、そんな内心が表情に出ないように気をつけ、
「どうか、した?……」
駄目押しにもう一つ、言う。それが当たり前だと強調するために。
それを聞いたさくらの視線が泳いだ。だが、園美がそれに気づかぬワケが無い。
「ほら、知世も早く試着してみて。揃ったのはどうか、見てあげるわ」
素早くさくらの目線の先を察し、先手を打つ。さくらとしては、知世に助けを求めるつつもりだったのだろうが、そうはさせない。
さくらよりは洞察に長けた知世は、自分がこの場のキャスティング・ボートを握った事に気が付いた。母の言う通り、ショーツの試着に自分が踏み切れば、さくらもそれに倣うしかなくなる。反対に、さくらに賛成して「ぱんつまではちょっと……」と難色を示せば、母の願いをひとつ、無にしてしまう事になる。
明らかに、「助けて知世ちゃん」と訴えるさくらの目線と、同じように「協力して、知世」と訴える園美の視線に晒されて、知世は困ってしまった。
まず考えたのは、さくらの事だった。知世にとって、さくらの望みは最優先順位となる。とすれば、さくらに味方して、ショーツは死守すべきなのかもしれない。
しかし、その優先はひっくり返る事もある。いい例が、さくら専用に作る「特別な衣装」だ。特にテーマに沿って、デザインに凝れるだけ凝り、ビデオにさくらが可愛く写るように苦心した衣装ほど、そのさくら自身が着用を躊躇う事が多い。
どんな時でもさくらの希望が優先なら、僅かでもさくらが躊躇ったり遠慮したりした衣装は着せないという選択になるはずだが、知世はそうしない。半ば強引に着せてしまう。
今回も、さくらがこの同じ生地でデザインが統一されたブラジャーとショーツを着けたらどう見えるのかを知りたいという欲求があった。自分がデザインしたわけではないが、もし、さくらが可愛く、そして凛々しく見えるようなら、今後のデザインに取り込んでいきたい。
それに、さくらの裸を見てみたいという気持ちもある。下着姿は体育などの際、更衣室で見られるが、入浴を共にする機会は滅多にはない。数少ないチャンスであることは確かだった。
知世は、さくらの方を見た。「助けて」という思いがたっぷり籠められた視線にしばらく目を合わせ、申し訳なさそうな表情を浮かべて、つっと目を逸らす。
さくらは目をまん丸に見開き、続けて「そんなぁ」という表情を浮かべた。有り体に言えば、親友に裏切られたわけだが、さくら自身はそういう風に感じていた訳ではない。ただ、知世が助けてくれなかった事はちょっとショックだった。
ショーツのゴムのところに両手の親指をかけた知世は、ゆっくりとそれを押し下げていく。柔らかな木綿の布地は縮こまって太めの紐のようになり、更に上下が逆さになる。位置が下がるのにあわせ、僅かに前屈みになっていった。
お尻の丸みや、肉付きの薄い腿をゆっくりと木綿の白い布地が滑り降りていく様子を、さくらは訳もなくただ呆然と見守っていた。ほぼ無意識に身体を前に傾けて、さっきまで布地に覆われていた、知世の一番の秘密の場所を覗き込むようにして見てしまう。
膝下まで下げたショーツを抜き取るため、知世が右脚を上げる。布地を跨ぎ、今度は左脚。脱いだショーツを脇に置くと、受け取っていたハンガーからストライプのショーツを外し、先ほどと逆手順で脚に通した。
少し急いだ様子で新しいショーツを引き上げ、お尻にフィットさせる。ゴムはお臍の下の周囲をぴったりと、そして柔らかく包み込んだ。
続けて、ブラジャーの方を外し、頭から被る。ホックの無いファースト型なので、今日、試着した他のブラと手順は同じだ。
長い髪を引き出して軽く整え、胸にぴったりとフィットさせると、軽く身体を捻ってみる。
ブラジャーそのものがはじめてだったし、この下着売り場に入ってきたときの様子から見ても、下着を試着して購入した事など無いのだろう。そんなさくらに、厚手とはいえ、カーテンでしか遮られていない場所で、ショーツまで脱げというのは、かなり抵抗があるに違いない。
その抵抗を突き崩すには、試着室の中では脱いで当たり前という態度を取るのが一番だ。なに、上半身は裸になるのが平気になったのだから、抵抗は最初だけに違いない。
やや俯き、上目遣いに園美を見るさくらの目は、助けを求めているようでもある。恥ずかしいのか、朱にそまった頬が愛らしくて堪らない。抱きしめて、さくらの身体中に頬擦りしたくなってしまう。だが、そんな内心が表情に出ないように気をつけ、
「どうか、した?……」
駄目押しにもう一つ、言う。それが当たり前だと強調するために。
それを聞いたさくらの視線が泳いだ。だが、園美がそれに気づかぬワケが無い。
「ほら、知世も早く試着してみて。揃ったのはどうか、見てあげるわ」
素早くさくらの目線の先を察し、先手を打つ。さくらとしては、知世に助けを求めるつつもりだったのだろうが、そうはさせない。
さくらよりは洞察に長けた知世は、自分がこの場のキャスティング・ボートを握った事に気が付いた。母の言う通り、ショーツの試着に自分が踏み切れば、さくらもそれに倣うしかなくなる。反対に、さくらに賛成して「ぱんつまではちょっと……」と難色を示せば、母の願いをひとつ、無にしてしまう事になる。
明らかに、「助けて知世ちゃん」と訴えるさくらの目線と、同じように「協力して、知世」と訴える園美の視線に晒されて、知世は困ってしまった。
まず考えたのは、さくらの事だった。知世にとって、さくらの望みは最優先順位となる。とすれば、さくらに味方して、ショーツは死守すべきなのかもしれない。
しかし、その優先はひっくり返る事もある。いい例が、さくら専用に作る「特別な衣装」だ。特にテーマに沿って、デザインに凝れるだけ凝り、ビデオにさくらが可愛く写るように苦心した衣装ほど、そのさくら自身が着用を躊躇う事が多い。
どんな時でもさくらの希望が優先なら、僅かでもさくらが躊躇ったり遠慮したりした衣装は着せないという選択になるはずだが、知世はそうしない。半ば強引に着せてしまう。
今回も、さくらがこの同じ生地でデザインが統一されたブラジャーとショーツを着けたらどう見えるのかを知りたいという欲求があった。自分がデザインしたわけではないが、もし、さくらが可愛く、そして凛々しく見えるようなら、今後のデザインに取り込んでいきたい。
それに、さくらの裸を見てみたいという気持ちもある。下着姿は体育などの際、更衣室で見られるが、入浴を共にする機会は滅多にはない。数少ないチャンスであることは確かだった。
知世は、さくらの方を見た。「助けて」という思いがたっぷり籠められた視線にしばらく目を合わせ、申し訳なさそうな表情を浮かべて、つっと目を逸らす。
さくらは目をまん丸に見開き、続けて「そんなぁ」という表情を浮かべた。有り体に言えば、親友に裏切られたわけだが、さくら自身はそういう風に感じていた訳ではない。ただ、知世が助けてくれなかった事はちょっとショックだった。
ショーツのゴムのところに両手の親指をかけた知世は、ゆっくりとそれを押し下げていく。柔らかな木綿の布地は縮こまって太めの紐のようになり、更に上下が逆さになる。位置が下がるのにあわせ、僅かに前屈みになっていった。
お尻の丸みや、肉付きの薄い腿をゆっくりと木綿の白い布地が滑り降りていく様子を、さくらは訳もなくただ呆然と見守っていた。ほぼ無意識に身体を前に傾けて、さっきまで布地に覆われていた、知世の一番の秘密の場所を覗き込むようにして見てしまう。
膝下まで下げたショーツを抜き取るため、知世が右脚を上げる。布地を跨ぎ、今度は左脚。脱いだショーツを脇に置くと、受け取っていたハンガーからストライプのショーツを外し、先ほどと逆手順で脚に通した。
少し急いだ様子で新しいショーツを引き上げ、お尻にフィットさせる。ゴムはお臍の下の周囲をぴったりと、そして柔らかく包み込んだ。
続けて、ブラジャーの方を外し、頭から被る。ホックの無いファースト型なので、今日、試着した他のブラと手順は同じだ。
長い髪を引き出して軽く整え、胸にぴったりとフィットさせると、軽く身体を捻ってみる。