さくらのぶらじゃぁ初体験 33
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「ご、ごめんなさい!」
熱いものでも触ったように、パッと手を離す園美。さくらは真っ赤になって、胸を押さえて立ち尽くしている。
「あのう……」
ドアの方から恐る恐るという声がした。園美が振り返ると、先ほど頼んだ紅茶を持ってきたメイドが、開きっ放しのドアを不思議に思ったのか、半分顔を覗かせて様子を伺っている。
タイミングとしては最悪だが、状況を動かすには好都合と言っていい。
「さくらちゃん、あっちで着替えさせて!」
素早くそう告げると、わざと彼女に近づいて、彼女の視界を自らの身体で遮る。知世はそれ逃さず、脱いで畳んでおいた服を拾い上げると、さくらの手を引いて、奥の部屋へと駆け込んで行った。
「ご苦労様。ただ、せっかくのお紅茶だけど、急にでかけなきゃいけなくなっちゃった。お友達のさくらちゃんを送っていくの。予定変更で悪いんだけど、クルマを出すように言っておいてくれない?」
かしこまりました、と了承を告げ、メイドが下がると、園美は3つのティーカップのひとつに口をつけ、待った。
しばらくして、制服に身を包んださくらと、こちらは私服のワンピースに着替えた知世が置くの部屋から出てくる。なんとなく、恥ずかしげな表情がまた可愛い。
「じゃ、改めて行きましょうか?」
そういうと、園美はさくらの腕を取った。
後部座席の真ん中に座らされたさくらを、園美と知世が挟み、取り留めのないおしゃべりをしているうちに目的の場所に着いた。
知世にとっては二度目、さくらはもちろんはじめてのそこは、デパートの下着売り場。マネキンやトルソーが色とりどりのランジェリーを着け、パーティションにも様々のブラジャーやショーツがところ狭しと飾られている。
「ほえぇぇ……」
さくらは圧倒されたのか、口をぽっかりと開け、周囲を見渡した。
最近は女のコとしての意識が芽生えて、ショーツなどは自分で選んだりもするが、それは子供衣料を扱うスーパーなどでの話で、下着売り場に足を踏み入れたのははじめてなのだ。
慣れきった園美が先に進み、その後ろを少し恥ずかしそうに知世が続く。さくらはといえば、そんな知世の背中に隠れるように身を縮めていた。まるで場違いなところに来てしまったような気分だ。オトナの女性が着ける下着をチラっと見ては目を逸らすところは、まるで男のコのようですらある。
一番奥まったところにある試着室の前で店員を呼ぶ。この間の日曜日、知世と買いに来た時の店員だ。二言三言話をした園美は、ふたりにカーテンの中に入るように告げた。
「そちらのお嬢様の方は、サイズを測りますから、上を脱いでくださいね」
さくらを見ながらそう言って、カーテンを閉める人のよさそうな店員。代わって園美が、顔だけカーテンの中に突っ込み、
「試着もするから、上半身ははだかになっていたほうがいいわよぉ」
と冗談めかして言った。
顔を見合わせたさくらと知世は、暫し逡巡した。だが、あまり迷っているヒマはなさそうだ。
「お手伝いしますわ」
そう言った知世に、脱いだ制服の上着を渡し、続けて中着を脱ぐ。スカートのホックをはずし、脚を抜いた。
図っていたわけでもないだろうが、そこで表から園美の声がした。
「もういい?」
「はぁい」
知世が返事をすると、カーテンを広げないように注意を払い、まず店員が、そして園美が中に入ってきた。
「では、失礼してサイズを測りますね。腕を上げていてください」
にこやかにさくらに話かけ、メジャーを広げる。
「こ、これは脱がなくていいですか?」
慌てたのか、さくらが自分のノースリーブを指して言う。
「大丈夫ですよ。試着がなければ、服の上からでもいいんです。大人になると、違いますけどね」
言いながらさくらの前にひざまずき、腕を差し入れてメジャーを背中に回して、前で目盛りを合わせた。
「ご、ごめんなさい!」
熱いものでも触ったように、パッと手を離す園美。さくらは真っ赤になって、胸を押さえて立ち尽くしている。
「あのう……」
ドアの方から恐る恐るという声がした。園美が振り返ると、先ほど頼んだ紅茶を持ってきたメイドが、開きっ放しのドアを不思議に思ったのか、半分顔を覗かせて様子を伺っている。
タイミングとしては最悪だが、状況を動かすには好都合と言っていい。
「さくらちゃん、あっちで着替えさせて!」
素早くそう告げると、わざと彼女に近づいて、彼女の視界を自らの身体で遮る。知世はそれ逃さず、脱いで畳んでおいた服を拾い上げると、さくらの手を引いて、奥の部屋へと駆け込んで行った。
「ご苦労様。ただ、せっかくのお紅茶だけど、急にでかけなきゃいけなくなっちゃった。お友達のさくらちゃんを送っていくの。予定変更で悪いんだけど、クルマを出すように言っておいてくれない?」
かしこまりました、と了承を告げ、メイドが下がると、園美は3つのティーカップのひとつに口をつけ、待った。
しばらくして、制服に身を包んださくらと、こちらは私服のワンピースに着替えた知世が置くの部屋から出てくる。なんとなく、恥ずかしげな表情がまた可愛い。
「じゃ、改めて行きましょうか?」
そういうと、園美はさくらの腕を取った。
後部座席の真ん中に座らされたさくらを、園美と知世が挟み、取り留めのないおしゃべりをしているうちに目的の場所に着いた。
知世にとっては二度目、さくらはもちろんはじめてのそこは、デパートの下着売り場。マネキンやトルソーが色とりどりのランジェリーを着け、パーティションにも様々のブラジャーやショーツがところ狭しと飾られている。
「ほえぇぇ……」
さくらは圧倒されたのか、口をぽっかりと開け、周囲を見渡した。
最近は女のコとしての意識が芽生えて、ショーツなどは自分で選んだりもするが、それは子供衣料を扱うスーパーなどでの話で、下着売り場に足を踏み入れたのははじめてなのだ。
慣れきった園美が先に進み、その後ろを少し恥ずかしそうに知世が続く。さくらはといえば、そんな知世の背中に隠れるように身を縮めていた。まるで場違いなところに来てしまったような気分だ。オトナの女性が着ける下着をチラっと見ては目を逸らすところは、まるで男のコのようですらある。
一番奥まったところにある試着室の前で店員を呼ぶ。この間の日曜日、知世と買いに来た時の店員だ。二言三言話をした園美は、ふたりにカーテンの中に入るように告げた。
「そちらのお嬢様の方は、サイズを測りますから、上を脱いでくださいね」
さくらを見ながらそう言って、カーテンを閉める人のよさそうな店員。代わって園美が、顔だけカーテンの中に突っ込み、
「試着もするから、上半身ははだかになっていたほうがいいわよぉ」
と冗談めかして言った。
顔を見合わせたさくらと知世は、暫し逡巡した。だが、あまり迷っているヒマはなさそうだ。
「お手伝いしますわ」
そう言った知世に、脱いだ制服の上着を渡し、続けて中着を脱ぐ。スカートのホックをはずし、脚を抜いた。
図っていたわけでもないだろうが、そこで表から園美の声がした。
「もういい?」
「はぁい」
知世が返事をすると、カーテンを広げないように注意を払い、まず店員が、そして園美が中に入ってきた。
「では、失礼してサイズを測りますね。腕を上げていてください」
にこやかにさくらに話かけ、メジャーを広げる。
「こ、これは脱がなくていいですか?」
慌てたのか、さくらが自分のノースリーブを指して言う。
「大丈夫ですよ。試着がなければ、服の上からでもいいんです。大人になると、違いますけどね」
言いながらさくらの前にひざまずき、腕を差し入れてメジャーを背中に回して、前で目盛りを合わせた。