さくらのぶらじゃぁ初体験 29
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園美は、今朝は早く会社へ出社した。ほとんどすれ違いで、知世とは朝の挨拶を交わしたくらいだった。
午前中は役員や担当部署との会議・打ち合わせに追われ、昼食を兼ねて外出。大道寺グループとしては重要な契約書の取り交わしだったため、社長自ら出向く形になった。
精鋭揃いの園美の部下にはそつが無く、契約は順調に交わされた。握手をして、相手先を辞したとき、予定の時間より少し早めに終わった事に気づいた。
こなした仕事の質から考えれば、このまま直帰してもいいケースなのだろうが、園美はすぐに次のプロジェクトの進捗を車載電話で確認し、その打ち合わせを夕刻にセッティングした。
だが、その打ち合わせに使う資料は、昨夜、寝室で目を通したため、自宅に置かれている。
取りに帰るか、メイドに会社まで持ってこさせるか。
時計を見ると、頃合もいい。この時間で帰れば、知世は帰宅しているはずだ。
打ち合わせや進捗によっては、また帰りが深夜になるかもしれない。夕飯を一緒に出来ない可能性を考えれば、お茶でも飲みながら、愛娘と語らっておきたい。
そう判断した園美は、運転手兼ボディガードに自宅へクルマを向けるように指示した。
園美は、今朝は早く会社へ出社した。ほとんどすれ違いで、知世とは朝の挨拶を交わしたくらいだった。
午前中は役員や担当部署との会議・打ち合わせに追われ、昼食を兼ねて外出。大道寺グループとしては重要な契約書の取り交わしだったため、社長自ら出向く形になった。
精鋭揃いの園美の部下にはそつが無く、契約は順調に交わされた。握手をして、相手先を辞したとき、予定の時間より少し早めに終わった事に気づいた。
こなした仕事の質から考えれば、このまま直帰してもいいケースなのだろうが、園美はすぐに次のプロジェクトの進捗を車載電話で確認し、その打ち合わせを夕刻にセッティングした。
だが、その打ち合わせに使う資料は、昨夜、寝室で目を通したため、自宅に置かれている。
取りに帰るか、メイドに会社まで持ってこさせるか。
時計を見ると、頃合もいい。この時間で帰れば、知世は帰宅しているはずだ。
打ち合わせや進捗によっては、また帰りが深夜になるかもしれない。夕飯を一緒に出来ない可能性を考えれば、お茶でも飲みながら、愛娘と語らっておきたい。
そう判断した園美は、運転手兼ボディガードに自宅へクルマを向けるように指示した。
「おかえりなさいませ」
突然の帰宅に困惑した表情で、メイドの一人が玄関で園美を迎える。
「ああ、いいのよ。資料を取りに着ただけだから。すぐに会社の方に戻るわ」
そう言って鞄を彼女に渡し、車留めからエントランスへ向かって歩く。後に付き従うように歩くメイドに、
「とりあえずお茶を淹れてちょうだい。それと、知世はもう帰ってる?」
「はい。お友達の木之本様がご一緒で、お部屋の方に」
メイドの言葉に、園美の脚がぴたりと止まる。ぶんッと音がするくらいの勢いで、メイドの方を振り返った。
「さくらちゃんが来てるの!?」
豹変した主の問いに、恐る恐るという様子でメイドが頷くと、園美の顔にこれ以上はありえない位の至福の表情が浮かんだ。
園美は、自分の幸運を、世界中の神様に感謝したい気持ちだった。知世の顔を見ようと思ったら、さくらにも会う事ができるのだ。これを幸運と言わずして、なにを幸運と言えばいいだろう。
「じゃあ、お茶は知世の部屋に持ってきてね」
そういい残すと、園美は愛娘の部屋目指して駆け出した。
とろけるような笑みを浮かべた園美からは、日本一の玩具メーカーの女性社長の威厳は雲散霧消している。遠距離恋愛の恋人が久しぶりに帰ってきた女学生の様なはしゃぎぶりだ。
知世の部屋が視界にはいってからは、ほぼダッシュに近い駆け足になり、一刻もはやく、さくらの笑顔をみたい気持ちに急かされて、少し強めに、4度、ドアをノックした。
「知世ー。さくらちゃんが来てるんですって?」
だから早く開けてという意思を込め、呼びかける。返事がない。といってもノックから一秒も経っていない。でも我慢できなくて、もう一度ドアを叩いてしまう。
『あ……ちょ……ちょっと待ってください』
常に無い、娘の慌てた声が返ってきて、園美は一瞬首を捻った。
さらに、一刻の間を置き、
『きゃぁ!』
と二人の叫び声。そして、なにかが倒れる音が聞こえた。
「知世!?」
部屋の中で何か異常な事態が起こった事を察知した園美は、ドアノブに手をかけた。
普段なら、知世の許可の声がしない限り、ドアを開けたりはしない。例え子供とはいえ、一個の人格。それを無視する事は園美のポリシーに反する。だが、中から聞こえた声は、ただ事とは思えなかった。
ノブを捻り、体当たりをするようにドアを押し開ける。
「知世!?」
大声で愛娘の名を呼び、中に飛び込んだ園美は、その瞳に写った部屋の光景に完全に凍りついた。
突然の帰宅に困惑した表情で、メイドの一人が玄関で園美を迎える。
「ああ、いいのよ。資料を取りに着ただけだから。すぐに会社の方に戻るわ」
そう言って鞄を彼女に渡し、車留めからエントランスへ向かって歩く。後に付き従うように歩くメイドに、
「とりあえずお茶を淹れてちょうだい。それと、知世はもう帰ってる?」
「はい。お友達の木之本様がご一緒で、お部屋の方に」
メイドの言葉に、園美の脚がぴたりと止まる。ぶんッと音がするくらいの勢いで、メイドの方を振り返った。
「さくらちゃんが来てるの!?」
豹変した主の問いに、恐る恐るという様子でメイドが頷くと、園美の顔にこれ以上はありえない位の至福の表情が浮かんだ。
園美は、自分の幸運を、世界中の神様に感謝したい気持ちだった。知世の顔を見ようと思ったら、さくらにも会う事ができるのだ。これを幸運と言わずして、なにを幸運と言えばいいだろう。
「じゃあ、お茶は知世の部屋に持ってきてね」
そういい残すと、園美は愛娘の部屋目指して駆け出した。
とろけるような笑みを浮かべた園美からは、日本一の玩具メーカーの女性社長の威厳は雲散霧消している。遠距離恋愛の恋人が久しぶりに帰ってきた女学生の様なはしゃぎぶりだ。
知世の部屋が視界にはいってからは、ほぼダッシュに近い駆け足になり、一刻もはやく、さくらの笑顔をみたい気持ちに急かされて、少し強めに、4度、ドアをノックした。
「知世ー。さくらちゃんが来てるんですって?」
だから早く開けてという意思を込め、呼びかける。返事がない。といってもノックから一秒も経っていない。でも我慢できなくて、もう一度ドアを叩いてしまう。
『あ……ちょ……ちょっと待ってください』
常に無い、娘の慌てた声が返ってきて、園美は一瞬首を捻った。
さらに、一刻の間を置き、
『きゃぁ!』
と二人の叫び声。そして、なにかが倒れる音が聞こえた。
「知世!?」
部屋の中で何か異常な事態が起こった事を察知した園美は、ドアノブに手をかけた。
普段なら、知世の許可の声がしない限り、ドアを開けたりはしない。例え子供とはいえ、一個の人格。それを無視する事は園美のポリシーに反する。だが、中から聞こえた声は、ただ事とは思えなかった。
ノブを捻り、体当たりをするようにドアを押し開ける。
「知世!?」
大声で愛娘の名を呼び、中に飛び込んだ園美は、その瞳に写った部屋の光景に完全に凍りついた。
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突然のコメント失礼します。
私のマザーズバッグ情報サイトで
こちらの記事を紹介させていただきましたので
ご連絡させて頂きました。
該当ページは、
http://1mazaazu.blog100.fc2.com/blog-entry-6.htmlです。
今後ともよろしくお願いします。
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今後ともよろしくお願いします。
え~と
どうもです。寝る前にみたら、コメントがついてましたので……
見せていただきましたが、まじめな鞄関係のブログのご様子。
アニメの二次小説の、しかも半分ポルノと言っていいページをリンクしてもいいのでしょうか?(^^;
そちらのページの雰囲気を壊さないと良いのですが………
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