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さくらのぶらじゃぁ初体験 23

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 さくらは、前の姿見に写る自分を見た。
「うわぁ………」
 思わず、感嘆の声があがる。
 ほぼ「気をつけ」の姿勢で、まっすぐに立っているさくら自身が写っていた。ショーツと、胸の部分だけを、真っ白な布地に包まれ、かわいらしく刻まれたお臍が見えている。
 初めて見る、ブラジャーを着けた自分自身。
 正確には、セパレート形式の水着を持っているから、これに近い姿を自分で見たことはあるはずだ。
 けれど、これがブラジャーだと思うだけで、なんともいえない感動が湧き上がるのは何故なのだろう?
 入浴する前、脱衣所を兼ねている洗面台の鏡に、下着姿や裸の自分が写ったりするのを見ることがあるが、もちろん、こんな胸の高鳴りを覚えたことはない。
「うん……うんッ!……」
 誰に向かってでもない、けれど力強い相槌を打ちながら、さくらは姿見の中の自分に夢中だった。
 顔を寄せ、少し前かがみになって、頭を右や左に傾けて胸元を見ていたかと思うと、急に上体を起こし、腕を後ろに回すようにして、胸を姿見に向かって突き出し、ためつすがめつ眺めていた。
 かと思うと、突然にバンザイをし、頭の上の方で手首を掴んで、体操でもするように、身体を傾けたり、捻ったり──。
 そんな興奮状態のさくらを、知世は二歩ほど引いたところから、笑みを浮かべて見つめていた。
 瞳をキラキラと輝かせるさくらの表情は、見ていて見飽きる事がなく、幸せで胸躍るひと時だった。
 どのくらい、姿見に夢中になっていたろうか。さくらが突然にくるりと振り返った。
 無意識だろうが、腕を背中に回すようにし、こころもち胸を突き出している。愛玩犬のような愛くるしい表情に「ほめて、ほめて」と、内心の期待を滲ませているのが微笑ましい。
「とっても……可愛らしいですわ」
 慈愛に満ちた笑みを浮かべ、心の底からの感想を伝えると、さくらは両頬を押さえ、煮崩した餅のように表情を緩めた。
「えへ……えへへぇ……はにゃ~ん」
 とろけた笑みを見つめる幸せを、胸いっぱいに感じながら、知世はゆっくりとさくらに近づいていく。気づいたさくらが顔をあげると、息がかかる程に顔を寄せ、
「触っても………よろしい……ですか?……」
 と、先ほど背中越しに聞いたのと同じ問いを発した。
 一度目は、躊躇いと、本当はOKしたくないという気持ちを滲ませながらも、首を縦に振ったさくらだったが、今度はそうした逡巡がまったくない。
「うんッ!」
 力いっぱい頷くと、また背中に腕をまわし、胸を突き出すような姿勢をとる。同じ人物の、同じ場所に触れようというのに、布地一枚で態度が正反対だ。女のコの心は微妙である。
 さくらの真正面に立った知世は、右の掌をそっと持ち上げ、白い布地に包まれた左胸の上にゆっくりと被せた。
 成長をはじめたバストを優しく包む、幾重にも重なった布地の構造。その下に先ほど味わったなんともいえない手触りがミックスされ、たまらない触感だ。
「着けた感じは、いかがですか?」
 自分が問われたのと同じ質問。先に着けたとはいえ、知世とて「はじめてのブラジャー」から10分と経っていない。やはり他のコはどうなのか、興味が湧く。
「うん…………なんだかね。ふわって柔らかい感じ。さっき知世ちゃんが触ったときみたいに、こう、胸のところをそっと手で押さえてもらってるみたいだよ」
 言いながら、さくらは自分の右手でそっと右の膨らみを包み込んでみた。なぜだろう? とても嬉しい気持ちがする。
 はじめての感動に浸っていると、何を意図してか、知世の左手がそっと、さくらの右手の上に重なってきた。顔を上げたさくらは、それを知世の「触りたい」という意思表示だと受け取った。
 そっと右手を降ろし、場所を空ける。にっこりと微笑んで、「いいよ」という気持ちを伝える。
 知世は、両方の掌で、宝物を擦るように、そっとさくらのブラジャーの上を撫でた。少し力を入れて押したり、揉むように手を動かしたりもしてみる。さくらはうっとりと目を細め、伏し目がちに知世の掌の動きを見つめていた。
「さっきの………『びくっ』は、もうないですか?」
 ややしばらく、さくらの胸を撫で続けた知世は、ナイショ話のようにそう問いかけた。熱心に撫で回していたのは、ブラジャー越しに乳首を探しての事。もちろん、はじめてブラジャーに包まれたさくらの胸を触ってみたいという気持ちもかなりあったが、それと同じくらい、裸の胸に触れたときのさくらの反応が気になっていたのだ。
「あ……そういえば、ぜんぜん平気だよ」
 知世に問われ、はじめてさくらはそのことに気がついた。かなり熱心に触られたものの、先ほどのような痛みや、ピリピリするような刺激は無い。膨らみ始めたバストを保護する多重構造によってか、知世が布地越しに擦っても、それが乳首には刺激として伝わらないようだ。
 現に、乳首のふくらみはなかなか見つからなかった。
 という事は、あの「びくっ」も無いだろうし、ツンとした痛みもかなり和らぐだろう。安心した知世は、ホッと安堵のため息を漏らし、さくらの胸から手を離した。
 もう、いいの?……
 顔を上げたさくらの表情に、そんな想いが浮かぶ。知世は、慈愛という言葉をそのままカタチにしたような微笑みを浮かべ、応えに換えた。

コメントの投稿

Secret

そんなものなんですかねぇ。
オトコには絶対にわからない一瞬なんでしょうね。

どんな感じなんでしょうねぇ

コメントどうもです。
やっと、小説のタイトルの、「ぶらじゃぁ初体験」になりました(おそッ

完全に空想で書いているんで、実際のところはどうなんでしょうねぇ?
いかがです?>女性の方

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