さくらのぶらじゃぁ初体験 5
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言われた知世は、思ってもみない申し出に、頬を赤く染めた。まだ小学生とはいえ、高学年ともなれば、普通、お風呂は独りで入るものだ。例え同性の母親とはいえ、誰かと入浴するというのは恥ずかしい。
「あ……あの……」
「ねぇ……いいでしょぉ……ずいぶん久しぶりなんだからぁ……」
何とかやんわり断ろうと言葉を探し始めた知世に、園美はしなを作ってさらに誘う。大人の男なら理性が吹っ飛んでしまうところだろうが、子供の、しかも同性に「オンナの魅力」は通用しない。ましてや園美は知世の母親である。
だが、この「久しぶり」が知世の琴線に触れた。
園美の言わんとするところは、一緒の入浴が久しぶりという意味なのだが、実は、こうして親子の会話があるのも「久しぶり」になる。園美は先週、先々週と、仕事で週末は家にいなかったし、夜、帰ってくるのは未明と言ってよい時間で、逆に朝は早く、普通に小学校に通っている知世とは、顔すら合わせることのできない日が続いていた。
言われた知世は、思ってもみない申し出に、頬を赤く染めた。まだ小学生とはいえ、高学年ともなれば、普通、お風呂は独りで入るものだ。例え同性の母親とはいえ、誰かと入浴するというのは恥ずかしい。
「あ……あの……」
「ねぇ……いいでしょぉ……ずいぶん久しぶりなんだからぁ……」
何とかやんわり断ろうと言葉を探し始めた知世に、園美はしなを作ってさらに誘う。大人の男なら理性が吹っ飛んでしまうところだろうが、子供の、しかも同性に「オンナの魅力」は通用しない。ましてや園美は知世の母親である。
だが、この「久しぶり」が知世の琴線に触れた。
園美の言わんとするところは、一緒の入浴が久しぶりという意味なのだが、実は、こうして親子の会話があるのも「久しぶり」になる。園美は先週、先々週と、仕事で週末は家にいなかったし、夜、帰ってくるのは未明と言ってよい時間で、逆に朝は早く、普通に小学校に通っている知世とは、顔すら合わせることのできない日が続いていた。
お母さまも……お寂しいのですわね……
そう思うと、できる限り「わがまま」を聞いてあげたいという気持ちになる。
「………わかりましたわ……」
そう了承を告げると、一度ドアを閉めて、脱衣所に引き返した。部屋着のワンピースのボタンをはずし、思い切って頭を通して脱ぐ。それを脱衣かごに畳んで置くと、続いてスリップ、それからショーツ。お腹周りのゴムに親指を挿し入れ、一瞬の躊躇いの後、覚悟を決めて押し下げる。お尻の丸みを抜けるとき、いつもよりくすぐったい感じがした。
それからタオルを取り、後頭部から髪をまとめて、額の前で軽く縛ってまとめる。見た目にはターバンのよう。もう一枚、タオルを取って、身体を隠そうかとも思ったが、それもなんだか変な気がする。恥ずかしいが、ひとつ息をついて、思い切って浴室の扉を開けた。
肩をすぼめるようにして、できるだけ腕で身体を隠し、湯で温まったタイルの上を歩く。見れば、園美は湯船の縁に両腕をおき、顎をその上に乗せて嬉しそうに知世を見ていた。
じっと見られて恥ずかしかったが、もうこうなっては逃げ場はない。壁のシャワーのカランを捻って湯を出すと、手早く身体を洗い流した。
「もう、独りでできちゃうのねぇ……前は脱がしてあげて、入る前に洗ってあげて……ふふふ………可愛かったわぁ……」
まだ幼児だった頃の知世を思い出し、それからの愛娘の成長を喜ぶ心と、あの頃を懐かしむ心が複雑に交じり合った園美の独り言。振り返り、複雑な母の表情を見た知世は、なんだか母親を思い切り甘えさせてあげたいという母性に似た気持ちを抱いた。
踵を返し、こちらに向かってくる知世を、穴が開くほど見つめる園美。熱っぽい視線をたっぷり浴びながら、知世は園美の隣に、片足からゆっくりと沈む。
「い~ち、に~……」
知世が浸かるのを待っていたように、園美の声。見上げれば、悪戯っぽい目でこちらを見ている。知世が見上げることで、肩が湯から出ると、
「だめよ。ちゃんと肩まで浸かって……」
「二十、数えるまで……ですか?」
肩に手を置かれ、押し沈められた知世が笑みを返して言う。それは、幼児として物心ついた頃から、幼稚園か、小学校にあがりたての頃まで、いつも一緒にお風呂に入っていた時、言われていた「呪文」だ。
嫌がって上がろうとしたり、数字を二つ飛ばしにしたりと、姑息な手段を使う子もいたりするそうだが、聞き分けの良い知世はそういう事はせず、いつもおとなしく従っていた。そうした思い出が、ゆっくりと頭の中を巡り、知世は園美にぴったりと寄り添う。
「さぁ、それじゃ背中流してあげる」
頃合いと見た園美がそう言って、湯の中で立ち上がった。美しいボディラインを湯が流れ、日頃の手入れの結果、20代といっても充分通用するハリのある肌が珠のように湯を弾く。
「はい」
裸を見られるという恥ずかしさが一緒の湯に浸かることで薄まったのか、微笑みを浮かべて返事をした知世は、後を追うように立ち上がった。
園美は、いそいそと腰掛を用意すると、うきうき気分をまるで隠さない笑みをうかべ、自分の前にそれを起き、知世を見た。言葉にはしないが、全身から「さぁ、早く座って」というオーラが見える。
知世がそれに従い、ゆっくりと腰を落ち着けると、園美は早速ボディソープのボトルに手を伸ばし、大きめのスポンジにそれを受けると、丁寧に泡立て、知世の背に押し当てた。
こしゅ、こしゅ、こしゅ……
小さな背中をスポンジが往復し、あっという間に泡で包み込む。
「知世の肌は綺麗ねぇ……すべすべだし……」
園美は、空いている掌で、肩から背を撫ぜ、感嘆の声を上げた。真っ白でキメ細やかな少女の肌は、まだ自分が同じ年頃に背中を流してあげた、ある人のことを思い出させる。
「お母さま譲りですわ……」
ちょっとお世辞を込めて答えると、二人で笑った。
そう思うと、できる限り「わがまま」を聞いてあげたいという気持ちになる。
「………わかりましたわ……」
そう了承を告げると、一度ドアを閉めて、脱衣所に引き返した。部屋着のワンピースのボタンをはずし、思い切って頭を通して脱ぐ。それを脱衣かごに畳んで置くと、続いてスリップ、それからショーツ。お腹周りのゴムに親指を挿し入れ、一瞬の躊躇いの後、覚悟を決めて押し下げる。お尻の丸みを抜けるとき、いつもよりくすぐったい感じがした。
それからタオルを取り、後頭部から髪をまとめて、額の前で軽く縛ってまとめる。見た目にはターバンのよう。もう一枚、タオルを取って、身体を隠そうかとも思ったが、それもなんだか変な気がする。恥ずかしいが、ひとつ息をついて、思い切って浴室の扉を開けた。
肩をすぼめるようにして、できるだけ腕で身体を隠し、湯で温まったタイルの上を歩く。見れば、園美は湯船の縁に両腕をおき、顎をその上に乗せて嬉しそうに知世を見ていた。
じっと見られて恥ずかしかったが、もうこうなっては逃げ場はない。壁のシャワーのカランを捻って湯を出すと、手早く身体を洗い流した。
「もう、独りでできちゃうのねぇ……前は脱がしてあげて、入る前に洗ってあげて……ふふふ………可愛かったわぁ……」
まだ幼児だった頃の知世を思い出し、それからの愛娘の成長を喜ぶ心と、あの頃を懐かしむ心が複雑に交じり合った園美の独り言。振り返り、複雑な母の表情を見た知世は、なんだか母親を思い切り甘えさせてあげたいという母性に似た気持ちを抱いた。
踵を返し、こちらに向かってくる知世を、穴が開くほど見つめる園美。熱っぽい視線をたっぷり浴びながら、知世は園美の隣に、片足からゆっくりと沈む。
「い~ち、に~……」
知世が浸かるのを待っていたように、園美の声。見上げれば、悪戯っぽい目でこちらを見ている。知世が見上げることで、肩が湯から出ると、
「だめよ。ちゃんと肩まで浸かって……」
「二十、数えるまで……ですか?」
肩に手を置かれ、押し沈められた知世が笑みを返して言う。それは、幼児として物心ついた頃から、幼稚園か、小学校にあがりたての頃まで、いつも一緒にお風呂に入っていた時、言われていた「呪文」だ。
嫌がって上がろうとしたり、数字を二つ飛ばしにしたりと、姑息な手段を使う子もいたりするそうだが、聞き分けの良い知世はそういう事はせず、いつもおとなしく従っていた。そうした思い出が、ゆっくりと頭の中を巡り、知世は園美にぴったりと寄り添う。
「さぁ、それじゃ背中流してあげる」
頃合いと見た園美がそう言って、湯の中で立ち上がった。美しいボディラインを湯が流れ、日頃の手入れの結果、20代といっても充分通用するハリのある肌が珠のように湯を弾く。
「はい」
裸を見られるという恥ずかしさが一緒の湯に浸かることで薄まったのか、微笑みを浮かべて返事をした知世は、後を追うように立ち上がった。
園美は、いそいそと腰掛を用意すると、うきうき気分をまるで隠さない笑みをうかべ、自分の前にそれを起き、知世を見た。言葉にはしないが、全身から「さぁ、早く座って」というオーラが見える。
知世がそれに従い、ゆっくりと腰を落ち着けると、園美は早速ボディソープのボトルに手を伸ばし、大きめのスポンジにそれを受けると、丁寧に泡立て、知世の背に押し当てた。
こしゅ、こしゅ、こしゅ……
小さな背中をスポンジが往復し、あっという間に泡で包み込む。
「知世の肌は綺麗ねぇ……すべすべだし……」
園美は、空いている掌で、肩から背を撫ぜ、感嘆の声を上げた。真っ白でキメ細やかな少女の肌は、まだ自分が同じ年頃に背中を流してあげた、ある人のことを思い出させる。
「お母さま譲りですわ……」
ちょっとお世辞を込めて答えると、二人で笑った。