えっちの国のさくら 6
このブログ記事は、「カードキャプターさくら」の性的表現を含む文章が掲示されています。
このため、18歳以下の方、妄想と現実の区別のつかない方の記事の閲覧は、ご遠慮ください。
18歳以上で、ご自身の理性に自信のもてる方のみ、「続きを読む」で内容をお読みください。
このため、18歳以下の方、妄想と現実の区別のつかない方の記事の閲覧は、ご遠慮ください。
18歳以上で、ご自身の理性に自信のもてる方のみ、「続きを読む」で内容をお読みください。
「おはよう、桃矢」
改めて言った雪兎は、続いて少し前かがみになって目線をあわせ、
「おはよう、さくらちゃん。今日も元気だね」
「はい♪」
憧れの人に話しかけられて嬉しいのか、さくらは満面の笑みで答えた。
一方、桃矢は、妹と雪兎の会話が面白くないのか、
「それだけが取り柄だからな。今朝も『してして』って迫ってきて、ヒィヒィよがぁッ!──」
さくらに、インラインスケートのつま先で思いっきり向こう脛を蹴り上げられ、桃矢の冷やかしが止まる。
あまりの大嘘に、怒りの収まらないさくらは、痛みに悶絶する桃矢に、もう二言三言、文句を言ってやろうとも思ったが、大好きな雪兎が見ているので、慌てて笑顔に切り替え、照れ隠し。だが、雪兎はにこやかな笑顔でその様子を見ているので、ちょっと安心した。
「桃矢、そろそろ時間じゃない?」
雪兎の声に、時計を見た桃矢は、
「お、そうだな。で……ユキは今朝は何の用事だ?」
「僕? 僕は用事はないよ。何も」
意外な返事に、桃矢の眉がぴくんと跳ねる。一方、雪兎を見上げていたさくらは、ぱあっと明るい笑顔を浮かべた。
「じゃ、なんでこんなに早いんだよ」
桃矢は不愉快そうに、低い声で訊く。
「桃矢が当番なら、このくらいの時間かな? って思っただけさ」
「それじゃ、雪兎さん、一緒に、ゆっくり……行きませんか?……」
頬を染め、もじもじと身を捩りながら誘いかけるさくらに、雪兎は一度、桃矢の顔を見る。そして、にっこりと笑うと、明らかに桃矢の表情が示す希望とは逆の返事をした。
「いいよ」
「おい………」
「なに? 桃矢?」
桃矢の不機嫌そうな声に、思いっきりにこやかに問い返す雪兎。
只でさえ目つきの鋭い桃矢にこんな目で睨まれると、気の小さい人なら泣き出しかねないが、雪兎は慣れたもので、ニコニコと笑顔で見ている。
「お兄ちゃん、早く行かないと、お当番遅れるよ」
さくらのトドメの一言。思わず、じろりとさくらを睨んでしまう。
一方のさくらの方は、自分を見ている桃矢を、キスを求めていると勘違いし、すこし背伸びをすると、眼をつぶって軽く唇を突き出した。
「………」
そんなさくらを暫く睨め付ける桃矢。だが、結局、何も言わず、口付けもしないまま、マウンテンバイクのハンドルを握った。
「ほえ? お兄ちゃん、キスはしなくていいの?」
きょとんとしたさくらの問いを無視し、ペダルを踏みこんだ桃矢の背が遠ざかっていく。
「……ふふふッ……さくらちゃん、けっこう意地が悪いんだね……」
可笑しくて仕方ない様子で笑いをかみ殺し、雪兎が言った。
「ほぇ?」
不思議そうな顔で、首を傾げるさくら。字面と違い、雪兎にさくらの態度を非難している様子はない。それだけに、逆に意味を掴みかねた。
「だって、あの桃矢の顔……僕とさくらちゃんを二人きりにしたくないって書いてあったじゃない。なのに、そのさくらちゃんに『早く行け』って言われちゃね……桃矢も可哀想に……」
クスクスと笑いながら。雪兎は言った。だが、さくらにはますます意味が判らない。小首をかしげるさくらに、
「わからない? 桃矢はさくらちゃんが大好きなんだよ」
「ええぇ?! そんな事、絶対ないですよぉ!」
雪兎の思いもかけない言葉に、さくらは全力でそれを否定した。あの意地悪な兄が、事もあろうに自分の事を「好き」だなんて、あり得ないとさくらは思う。
改めて言った雪兎は、続いて少し前かがみになって目線をあわせ、
「おはよう、さくらちゃん。今日も元気だね」
「はい♪」
憧れの人に話しかけられて嬉しいのか、さくらは満面の笑みで答えた。
一方、桃矢は、妹と雪兎の会話が面白くないのか、
「それだけが取り柄だからな。今朝も『してして』って迫ってきて、ヒィヒィよがぁッ!──」
さくらに、インラインスケートのつま先で思いっきり向こう脛を蹴り上げられ、桃矢の冷やかしが止まる。
あまりの大嘘に、怒りの収まらないさくらは、痛みに悶絶する桃矢に、もう二言三言、文句を言ってやろうとも思ったが、大好きな雪兎が見ているので、慌てて笑顔に切り替え、照れ隠し。だが、雪兎はにこやかな笑顔でその様子を見ているので、ちょっと安心した。
「桃矢、そろそろ時間じゃない?」
雪兎の声に、時計を見た桃矢は、
「お、そうだな。で……ユキは今朝は何の用事だ?」
「僕? 僕は用事はないよ。何も」
意外な返事に、桃矢の眉がぴくんと跳ねる。一方、雪兎を見上げていたさくらは、ぱあっと明るい笑顔を浮かべた。
「じゃ、なんでこんなに早いんだよ」
桃矢は不愉快そうに、低い声で訊く。
「桃矢が当番なら、このくらいの時間かな? って思っただけさ」
「それじゃ、雪兎さん、一緒に、ゆっくり……行きませんか?……」
頬を染め、もじもじと身を捩りながら誘いかけるさくらに、雪兎は一度、桃矢の顔を見る。そして、にっこりと笑うと、明らかに桃矢の表情が示す希望とは逆の返事をした。
「いいよ」
「おい………」
「なに? 桃矢?」
桃矢の不機嫌そうな声に、思いっきりにこやかに問い返す雪兎。
只でさえ目つきの鋭い桃矢にこんな目で睨まれると、気の小さい人なら泣き出しかねないが、雪兎は慣れたもので、ニコニコと笑顔で見ている。
「お兄ちゃん、早く行かないと、お当番遅れるよ」
さくらのトドメの一言。思わず、じろりとさくらを睨んでしまう。
一方のさくらの方は、自分を見ている桃矢を、キスを求めていると勘違いし、すこし背伸びをすると、眼をつぶって軽く唇を突き出した。
「………」
そんなさくらを暫く睨め付ける桃矢。だが、結局、何も言わず、口付けもしないまま、マウンテンバイクのハンドルを握った。
「ほえ? お兄ちゃん、キスはしなくていいの?」
きょとんとしたさくらの問いを無視し、ペダルを踏みこんだ桃矢の背が遠ざかっていく。
「……ふふふッ……さくらちゃん、けっこう意地が悪いんだね……」
可笑しくて仕方ない様子で笑いをかみ殺し、雪兎が言った。
「ほぇ?」
不思議そうな顔で、首を傾げるさくら。字面と違い、雪兎にさくらの態度を非難している様子はない。それだけに、逆に意味を掴みかねた。
「だって、あの桃矢の顔……僕とさくらちゃんを二人きりにしたくないって書いてあったじゃない。なのに、そのさくらちゃんに『早く行け』って言われちゃね……桃矢も可哀想に……」
クスクスと笑いながら。雪兎は言った。だが、さくらにはますます意味が判らない。小首をかしげるさくらに、
「わからない? 桃矢はさくらちゃんが大好きなんだよ」
「ええぇ?! そんな事、絶対ないですよぉ!」
雪兎の思いもかけない言葉に、さくらは全力でそれを否定した。あの意地悪な兄が、事もあろうに自分の事を「好き」だなんて、あり得ないとさくらは思う。
テーマ : 恋愛:エロス:官能小説
ジャンル : 小説・文学