なにが出るかな? 8
「なに言ってるアルか? そんなのダメに決まってるアル。睦月は、独りでスルアル!」
「じゃあ、裸、見せてよ」
「だ……ダメアル! なんでゆんが……」
「そんなのズルイよ。独りでしろって言っといて、裸は見せてくれないなんて……」
「だ……だから、それは、あの本……」
「持ってないんだってば。ボクが、今、見られるのは、ゆんゆんの裸だけだもん。だから独りでしろって言うなら、ゆんゆんが見せてよ」
睦月が唇を尖らせ、わざと拗ねたように言う。ゆんなに浮かぶ焦りの表情を見て、どうやら上手くいっているらしいと安心した。
「じゃあ、裸、見せてよ」
「だ……ダメアル! なんでゆんが……」
「そんなのズルイよ。独りでしろって言っといて、裸は見せてくれないなんて……」
「だ……だから、それは、あの本……」
「持ってないんだってば。ボクが、今、見られるのは、ゆんゆんの裸だけだもん。だから独りでしろって言うなら、ゆんゆんが見せてよ」
睦月が唇を尖らせ、わざと拗ねたように言う。ゆんなに浮かぶ焦りの表情を見て、どうやら上手くいっているらしいと安心した。
一方のゆんなは、いつの間にか自分が追いつめられている事に焦りの色が隠せない。
オナニーを強制して、猛反を促すはずが、どういう訳か、その為に裸になって見せる事になっている。
なんとかこの状況を打開しようと、ゆんなは必死に考えた。
「お……お昼に見てたの、思い出してスレばいいアル」
やっと絞り出したのがこれである。
もちろん睦月は首を横に振った。
「そんなの無理だよ」
「なんでアルか?」
「見ながらじゃなきゃ、出来ないよ。思い出しながらシタことなんかないもん」
「そ……そんなの、ただのぜいたくアル!」
「違うよ。だって、思い出してできるなら、あんな本が売れる訳がないじゃないか。写真でもいいから、スルときには、裸を見ながらじゃなきゃダメなんだよ」
「う……」
ゆんなは再び言葉に詰まった。困った事に反論の余地がない。
本屋やコンビニで、あられもない女性の裸を載せた本が数限りなく売られているのを、ゆんなとて知らない訳ではない。
あれほどの数の裸を必要とするからには、「見ながらじゃなきゃ出来ない」という睦月の説には、揺るがしようのない説得力がある。
ゆんなが反論出来ないと見て取った睦月は、ここがミッドウェイやクルスクといった、いわゆる戦争の転換点とばかりに、一気に攻勢に打って出た。
「ねぇ、だから早くハダカ見せてよ」
「だ……だから、そんなのダメアル!」
「じゃぁ、普通にしよう?」
「そ……それもイヤある……」
「だから、そんなのはズルイよ。どっちかにしてよ」
「う…………」
「思い出して、独りで──なんてのは無理だからね?」
言葉に詰まったゆんなに、まるで退路を塞ぐように、念押しの攻撃を仕掛ける睦月。そして、攻撃は反復して繰り返される。
「どっちにする? ひとりでって言うなら、早くハダカ見せてよ」
「だ……だから、そんなの………」
ゆんなは次第に押され、声が小さくなっていく。
これなら、もう大丈夫。
睦月は確信した。
ほどなくゆんなは落ちるだろう。裸になってまで、オナニーをして見せろとは言わないはずだ。無謀な要求を引っ込め、普通にしようと言い直すに違いない。これであの熱いヌルヌルの中に入れられる。そんな心の内が、つい顔に出た。
「……なに、ニヤニヤしてるアルか?」
いつの間にこっちを向いていたのか、ゆんなが憮然と言った。
睦月は少しばかり慌てたが、優位にあるという自信からか、
「なんでもないよ。そんな事よりさ、早くハダカみせてよ」
と、薄笑いすら浮かべて言った。
この誤射が、方向を変えた。
睦月の読み通り、ゆんなは強制オナニーを諦めはじめていた。
そのために裸にならないといけないなんて馬鹿らしいし、どうせ裸になるなら、気持ちイイ方がいい。なら、いっそ普通にえっちを要求したほうがいいのでは? と、考えに傾きつつあった。
だが、睦月の表情とこの言い様が、ゆんなには自分を小馬鹿にしているように感じられた。
本当は、あのグラビアの方がイイけど、仕方ないから、ゆんゆんのぺったんこの胸で我慢するか。
多少、被害妄想が入っているせいか、ゆんなには睦月がこう言っているように聞こえてしまったのだ。
更に、
「ねぇ、ゆんゆん。早く見せてよ……」
睦月は駄目押しのつもりでかけた一言が決定打になった。
オナニーを強制して、猛反を促すはずが、どういう訳か、その為に裸になって見せる事になっている。
なんとかこの状況を打開しようと、ゆんなは必死に考えた。
「お……お昼に見てたの、思い出してスレばいいアル」
やっと絞り出したのがこれである。
もちろん睦月は首を横に振った。
「そんなの無理だよ」
「なんでアルか?」
「見ながらじゃなきゃ、出来ないよ。思い出しながらシタことなんかないもん」
「そ……そんなの、ただのぜいたくアル!」
「違うよ。だって、思い出してできるなら、あんな本が売れる訳がないじゃないか。写真でもいいから、スルときには、裸を見ながらじゃなきゃダメなんだよ」
「う……」
ゆんなは再び言葉に詰まった。困った事に反論の余地がない。
本屋やコンビニで、あられもない女性の裸を載せた本が数限りなく売られているのを、ゆんなとて知らない訳ではない。
あれほどの数の裸を必要とするからには、「見ながらじゃなきゃ出来ない」という睦月の説には、揺るがしようのない説得力がある。
ゆんなが反論出来ないと見て取った睦月は、ここがミッドウェイやクルスクといった、いわゆる戦争の転換点とばかりに、一気に攻勢に打って出た。
「ねぇ、だから早くハダカ見せてよ」
「だ……だから、そんなのダメアル!」
「じゃぁ、普通にしよう?」
「そ……それもイヤある……」
「だから、そんなのはズルイよ。どっちかにしてよ」
「う…………」
「思い出して、独りで──なんてのは無理だからね?」
言葉に詰まったゆんなに、まるで退路を塞ぐように、念押しの攻撃を仕掛ける睦月。そして、攻撃は反復して繰り返される。
「どっちにする? ひとりでって言うなら、早くハダカ見せてよ」
「だ……だから、そんなの………」
ゆんなは次第に押され、声が小さくなっていく。
これなら、もう大丈夫。
睦月は確信した。
ほどなくゆんなは落ちるだろう。裸になってまで、オナニーをして見せろとは言わないはずだ。無謀な要求を引っ込め、普通にしようと言い直すに違いない。これであの熱いヌルヌルの中に入れられる。そんな心の内が、つい顔に出た。
「……なに、ニヤニヤしてるアルか?」
いつの間にこっちを向いていたのか、ゆんなが憮然と言った。
睦月は少しばかり慌てたが、優位にあるという自信からか、
「なんでもないよ。そんな事よりさ、早くハダカみせてよ」
と、薄笑いすら浮かべて言った。
この誤射が、方向を変えた。
睦月の読み通り、ゆんなは強制オナニーを諦めはじめていた。
そのために裸にならないといけないなんて馬鹿らしいし、どうせ裸になるなら、気持ちイイ方がいい。なら、いっそ普通にえっちを要求したほうがいいのでは? と、考えに傾きつつあった。
だが、睦月の表情とこの言い様が、ゆんなには自分を小馬鹿にしているように感じられた。
本当は、あのグラビアの方がイイけど、仕方ないから、ゆんゆんのぺったんこの胸で我慢するか。
多少、被害妄想が入っているせいか、ゆんなには睦月がこう言っているように聞こえてしまったのだ。
更に、
「ねぇ、ゆんゆん。早く見せてよ……」
睦月は駄目押しのつもりでかけた一言が決定打になった。