ふたりの日曜日 2
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日曜日。
時間は朝の8:30。睦月が長年愛用しているアラーム時計が鳴り出した。
「う……うん……」
呻くような声を上げた睦月が、何とか天辺を叩いてやかましいアラームを止める。
近視の目を細めて銀色の針が示す時間を確かめると、顔中を口にして、大きな欠伸を漏らした。
日曜日。
時間は朝の8:30。睦月が長年愛用しているアラーム時計が鳴り出した。
「う……うん……」
呻くような声を上げた睦月が、何とか天辺を叩いてやかましいアラームを止める。
近視の目を細めて銀色の針が示す時間を確かめると、顔中を口にして、大きな欠伸を漏らした。
睡眠時間が足らなかった訳ではない。昨日は土曜にしては早めに床についたし、ゆんなのナイショの訪問もなかった。けれど、今日のデートの内容を考えるとなかなか寝付かれなかったのも確かだった。
思い切って身を起こすと、う~んと身体を伸ばす。眼鏡を顔の定位置に据えると、パジャマのまま階下に降りていった。
居間の方から聞こえる舌ったらずな女のコの声。
覗いてみると、弥生が大好きなアニメ番組の主人公が画面を飛び回っていた。弥生は月子と並んで乗り出すように見ている。
「あら、睦月、おはよう。早いのね」
いつも小春日和の様に、何処か抜けた感のある月子だが、意外と鋭い所は持っている。顔を覗かせた睦月の気配を察して振り返った。
「あ、うん、おはよう……」
曖昧な返事を睦月が返すと、月子は更に、
「もう少し寝てても間に合うんじゃぁなぁい?」
まさしく慈母の笑みを浮かべて言う月子に、睦月は顔に朱を浮べて、
「いや、その……まぁね……」
しどろもどろになる息子を見て、ますます月子の笑みが優しいものになった。
今日はお隣のゆんなと遊園地に行く約束をしていることは、すでに承知している。
小さな木の芽のようなおちんちんを股間に付けて、自分のお腹から出て来たのがつい昨日のように思い出された。それがいつの間にか成長し、やや振り回され気味とはいえ、女のコとデートに出かけるようにまでなったと思うと感慨深い。
だが、逆にそのおちんちんから、尿とは異なる白い液を吐出する年頃になった少年にしてみれば、母親に付き合っている女のコのことをあれこれと詮索されるのはなんとしても避けたい事柄だった。
ましてや、その白い液をゆんなの膣の奥や、口腔にぶちまけている事を知られたらと思うと、背筋を寒いものが走る。
逃げるように洗面所に向かい、壁に取り付けたユニットの鏡を開け、自分の歯ブラシを取り出すと、練りはみがきを付けて歯磨き。
それから顔を洗い、亜麻色の髪を梳った。さりげなさを装ってはいるが、歯磨きは長くて丁寧だし、髪もドライヤーをあてたりして、普段よりも倍以上の時間をかけている。これでは、背中いっぱいに『今日はデートですッ!!』と書いているようなものだ。
それからキッチンへ顔をだし、冷蔵庫から牛乳を取り出すと、ボウルにざっとあけたコーンフレークにかけて食べる。日曜日のうえ、唯一、炊事と洗い物ができる自分が出かけるとなると、どうしても簡単なものにならざるを得ない。
そうそう、今は惰眠を貪っている五月と葉月を加えた4名の昼食のことも考えなくてはいけない。
ボウルを流しに突っ込んだついでに水屋の下を覗いて見ると、お徳用のレトルトカレーと、3コを一まとめにして売られているパックのご飯が残っていた。カレーは5個。ご飯は2つで、計6個。食べ盛りの葉月を計算に入れると、もしかすると足らないかもしれないが、そのときは、隣のカップラーメンに手を出すだろう。
ホッと一安心した睦月は、階段を上がって部屋に戻った。
思い切って身を起こすと、う~んと身体を伸ばす。眼鏡を顔の定位置に据えると、パジャマのまま階下に降りていった。
居間の方から聞こえる舌ったらずな女のコの声。
覗いてみると、弥生が大好きなアニメ番組の主人公が画面を飛び回っていた。弥生は月子と並んで乗り出すように見ている。
「あら、睦月、おはよう。早いのね」
いつも小春日和の様に、何処か抜けた感のある月子だが、意外と鋭い所は持っている。顔を覗かせた睦月の気配を察して振り返った。
「あ、うん、おはよう……」
曖昧な返事を睦月が返すと、月子は更に、
「もう少し寝てても間に合うんじゃぁなぁい?」
まさしく慈母の笑みを浮かべて言う月子に、睦月は顔に朱を浮べて、
「いや、その……まぁね……」
しどろもどろになる息子を見て、ますます月子の笑みが優しいものになった。
今日はお隣のゆんなと遊園地に行く約束をしていることは、すでに承知している。
小さな木の芽のようなおちんちんを股間に付けて、自分のお腹から出て来たのがつい昨日のように思い出された。それがいつの間にか成長し、やや振り回され気味とはいえ、女のコとデートに出かけるようにまでなったと思うと感慨深い。
だが、逆にそのおちんちんから、尿とは異なる白い液を吐出する年頃になった少年にしてみれば、母親に付き合っている女のコのことをあれこれと詮索されるのはなんとしても避けたい事柄だった。
ましてや、その白い液をゆんなの膣の奥や、口腔にぶちまけている事を知られたらと思うと、背筋を寒いものが走る。
逃げるように洗面所に向かい、壁に取り付けたユニットの鏡を開け、自分の歯ブラシを取り出すと、練りはみがきを付けて歯磨き。
それから顔を洗い、亜麻色の髪を梳った。さりげなさを装ってはいるが、歯磨きは長くて丁寧だし、髪もドライヤーをあてたりして、普段よりも倍以上の時間をかけている。これでは、背中いっぱいに『今日はデートですッ!!』と書いているようなものだ。
それからキッチンへ顔をだし、冷蔵庫から牛乳を取り出すと、ボウルにざっとあけたコーンフレークにかけて食べる。日曜日のうえ、唯一、炊事と洗い物ができる自分が出かけるとなると、どうしても簡単なものにならざるを得ない。
そうそう、今は惰眠を貪っている五月と葉月を加えた4名の昼食のことも考えなくてはいけない。
ボウルを流しに突っ込んだついでに水屋の下を覗いて見ると、お徳用のレトルトカレーと、3コを一まとめにして売られているパックのご飯が残っていた。カレーは5個。ご飯は2つで、計6個。食べ盛りの葉月を計算に入れると、もしかすると足らないかもしれないが、そのときは、隣のカップラーメンに手を出すだろう。
ホッと一安心した睦月は、階段を上がって部屋に戻った。