今日はいちゃいちゃの日なの 5
「早く、頭、ここ」
三度も指示をされては、どうすることもできない。
フェイトは手を突き、一度四つん這いになると、恐る恐る、まさに礼拝をするように、揃えられたなのはの太股に顔を近づけた。
正面を向くなのはの右から寄ったので、顔を傾け、そっと左の頬を腿につける。
「ちゃんと、横になって」
まだ緊張して、身体が浮き気味だったのを、なのはが咎める。
フェイトは仕方なしに、身体は完全にカーペットに横たえ、なのはの腿に頭を預けた。
三度も指示をされては、どうすることもできない。
フェイトは手を突き、一度四つん這いになると、恐る恐る、まさに礼拝をするように、揃えられたなのはの太股に顔を近づけた。
正面を向くなのはの右から寄ったので、顔を傾け、そっと左の頬を腿につける。
「ちゃんと、横になって」
まだ緊張して、身体が浮き気味だったのを、なのはが咎める。
フェイトは仕方なしに、身体は完全にカーペットに横たえ、なのはの腿に頭を預けた。
自分の膝の上のフェイトの顔の前で、なのははペン状の物のキャップを抜く。
それは、金色の金属を加工して三重の輪のようにした、耳掻きだった。
「耳掃除♪」
なんだか急に楽しそうに言いながら、なのははフェイトの耳に器具をそっと挿入していった。
なんの事はない。考えてみれば、なのはが自分に酷い事をするわけがないのだ。取り越し苦労を哂うと共に、怖がった事を心の中で詫びた。
「今日はねぇ……」
フェイトの耳を覗きながら、そこにそっと話しかけるなのは。
「一日中、フェイトちゃんと、いちゃいちゃしようって決めたんだ……」
甘い囁きに頬を染めながら、フェイトが問い返す。
「ど……どうして?……夕べだって……」
「夜のは、えっち。えっちをいっぱいするのと、いちゃいちゃするのは、別」
とろけるような声で言われ、フェイトはなにも言えなかった。
こんな事を言うところからみて、どうやら、この新しい「隠れ家」の引越しにあわせて、最初から計画していたようだ。
「隠れ家」──それは、本局に勤務しているAAAクラス以上の魔導師が、隊舎に与えられた居室以外に用意することが奨励される住居だ。自分で探しても良いし、頼めば本局で物件を探してくれる。
この「隠れ家」があるため、何らかの形で魔導師がマスコミに紹介されると、媒体によって書かれている住所がバラバラなんて事も珍しくない。
理由は簡単。魔法犯罪を計画した時、一番邪魔なのが、本局のAAA以上の魔導師だからだ。もし、住居がひとつしかなく、いつもそこに帰るとなれば、意識操作の魔法を送り込んだり、家族を人質にとったり、手っ取り早く住居ごと吹っ飛ばそうと考えるだろう。
それを防ぐため、ランダムに居場所を変える事がテロ防止として奨励されているのだ。
執務官として移動が多く、事実上、艦を住居としているフェイトには、その心配が無いが、なのはのようにミッドに住んでいるS+の魔導師ともなれば、局側も気を使っているに違いない。JS事件など、大事もあって、結構マスコミも動いたから、隠れ家も換える事になったのだろう。
だが、その引越しのタイミングをうまく謀って、自分が帰ってくるのに合わせて、ふたりっきりになれる場所として使おうなんて、ハメられたような気がする。
おまけに、誰も居ないのを良いことに、こうして着るものも与えてもらえず、裸で転がされている。せめて人間扱いはして欲しいと、訴えるべきかもしれない。
一方、獣の扱いはこんなものでいいと思っているのかもしれないと、少し反省した。
夕べ、執務官としての任務を終えて、ミッドに戻ったフェイトは、港へ迎えに来たなのはと、軽く夕食をした後、ここへ案内された。
ここが新しい「隠れ家」である事や、ヴィヴィオは学校の合宿で今日は居ない事を聞かされた後、
「今夜は、ふたりっきりだよ」
なんて言われた途端、頭に血が上ってしまった。
その場で、なのはを素早くお姫様抱っこして、「先にシャワーを」と主張しながら、じたばたと暴れるのを無視してベッドに放り込み、ろくに服を脱がせもしないで、シャツとブラを押し上げ、レモン色のショーツは毟り取って、なのはの匂いと、味を思いっきり堪能し、良い声で、たっぷりと鳴かせてしまった。
確かにちょっと獣じみてはいたんだけど、それは久しぶりだったからだし、その後、ちゃんと丁寧にもしたし、なのはのしたいようにも、させてあげたんだから、許してくれても良いのではないかと、フェイトは思った。
「はい、今度反対。こっち向いて」
なんて言われて、なのはのお腹に鼻面を埋めながら、優しく耳の中を掻いてもらうと、もうなんだか、どうでもいいような気がしてきた。
温かくて、柔らかくって、とっても良いにおいがする。安心で、とろとろに溶けてしまいそう。
それは、金色の金属を加工して三重の輪のようにした、耳掻きだった。
「耳掃除♪」
なんだか急に楽しそうに言いながら、なのははフェイトの耳に器具をそっと挿入していった。
なんの事はない。考えてみれば、なのはが自分に酷い事をするわけがないのだ。取り越し苦労を哂うと共に、怖がった事を心の中で詫びた。
「今日はねぇ……」
フェイトの耳を覗きながら、そこにそっと話しかけるなのは。
「一日中、フェイトちゃんと、いちゃいちゃしようって決めたんだ……」
甘い囁きに頬を染めながら、フェイトが問い返す。
「ど……どうして?……夕べだって……」
「夜のは、えっち。えっちをいっぱいするのと、いちゃいちゃするのは、別」
とろけるような声で言われ、フェイトはなにも言えなかった。
こんな事を言うところからみて、どうやら、この新しい「隠れ家」の引越しにあわせて、最初から計画していたようだ。
「隠れ家」──それは、本局に勤務しているAAAクラス以上の魔導師が、隊舎に与えられた居室以外に用意することが奨励される住居だ。自分で探しても良いし、頼めば本局で物件を探してくれる。
この「隠れ家」があるため、何らかの形で魔導師がマスコミに紹介されると、媒体によって書かれている住所がバラバラなんて事も珍しくない。
理由は簡単。魔法犯罪を計画した時、一番邪魔なのが、本局のAAA以上の魔導師だからだ。もし、住居がひとつしかなく、いつもそこに帰るとなれば、意識操作の魔法を送り込んだり、家族を人質にとったり、手っ取り早く住居ごと吹っ飛ばそうと考えるだろう。
それを防ぐため、ランダムに居場所を変える事がテロ防止として奨励されているのだ。
執務官として移動が多く、事実上、艦を住居としているフェイトには、その心配が無いが、なのはのようにミッドに住んでいるS+の魔導師ともなれば、局側も気を使っているに違いない。JS事件など、大事もあって、結構マスコミも動いたから、隠れ家も換える事になったのだろう。
だが、その引越しのタイミングをうまく謀って、自分が帰ってくるのに合わせて、ふたりっきりになれる場所として使おうなんて、ハメられたような気がする。
おまけに、誰も居ないのを良いことに、こうして着るものも与えてもらえず、裸で転がされている。せめて人間扱いはして欲しいと、訴えるべきかもしれない。
一方、獣の扱いはこんなものでいいと思っているのかもしれないと、少し反省した。
夕べ、執務官としての任務を終えて、ミッドに戻ったフェイトは、港へ迎えに来たなのはと、軽く夕食をした後、ここへ案内された。
ここが新しい「隠れ家」である事や、ヴィヴィオは学校の合宿で今日は居ない事を聞かされた後、
「今夜は、ふたりっきりだよ」
なんて言われた途端、頭に血が上ってしまった。
その場で、なのはを素早くお姫様抱っこして、「先にシャワーを」と主張しながら、じたばたと暴れるのを無視してベッドに放り込み、ろくに服を脱がせもしないで、シャツとブラを押し上げ、レモン色のショーツは毟り取って、なのはの匂いと、味を思いっきり堪能し、良い声で、たっぷりと鳴かせてしまった。
確かにちょっと獣じみてはいたんだけど、それは久しぶりだったからだし、その後、ちゃんと丁寧にもしたし、なのはのしたいようにも、させてあげたんだから、許してくれても良いのではないかと、フェイトは思った。
「はい、今度反対。こっち向いて」
なんて言われて、なのはのお腹に鼻面を埋めながら、優しく耳の中を掻いてもらうと、もうなんだか、どうでもいいような気がしてきた。
温かくて、柔らかくって、とっても良いにおいがする。安心で、とろとろに溶けてしまいそう。