ふたりの日曜日 1
ゆんゆん☆パラダイスの18禁二次小説です。
日曜日にデートをするふたり、でもその行き先は、中学生カップルには高いハードルが………
管理
「ね、ゆんちゃん、明後日って予定ある?」
金曜日のお昼時、仲良し5人でお弁当を食べた後、松山実也が切り出した。
別にどうという事ではないのだが、このメンバーで街をぶらついて、可愛い服でも探そうかという漠然とした事を考えていたらしい。
日曜日にデートをするふたり、でもその行き先は、中学生カップルには高いハードルが………
管理
「ね、ゆんちゃん、明後日って予定ある?」
金曜日のお昼時、仲良し5人でお弁当を食べた後、松山実也が切り出した。
別にどうという事ではないのだが、このメンバーで街をぶらついて、可愛い服でも探そうかという漠然とした事を考えていたらしい。
ゆんなは、ランチボックスに花柄のナプキンをかけながら、
「ごめんアル。日曜は予定あるアルよ」
字面は謝っているのだが、「申し訳ない」という意識が微塵も感じられない。
むしろ、ウキウキしているという事がありありと判る。
「なぁに?デートでも行くわけ?」
佐々木敦子が、ゆんなの顔に答えが書いてある事をわざわざ問い掛けた。
「にゅふふ~」
ゆんなは、正解を言い当てられて、嬉しくてしょうがないという表情。こういうとき、人はときどき、イヂワルをしてみたくなる。
「で、誰と行くの?」
敦子がメガネのブリッジを押し上げながら問う。
瞬時にゆんなの表情が切り替わった。幸せいっぱいの表情からいきなり眉を吊り上げ、
「そんなの、睦月とに決まってるアル!」
と語気も荒げた。
転校いきなりの熱愛宣言後、ひとりで恋人気分を盛り上げているゆんなと、それに振り回される奥手少年の睦月のカップルは、傍で見ているには微笑ましく、たまにからかうと面白い。
「まぁまぁ、それよりゆんちゃん何処行くの?」
姉御肌の湯浅まなみが、仲裁に入った。
ひときわ低い身長と、どう贔屓目に見ても小学生にしか見えないロリータ・フェイスのおかげで、ゆんなはクラスメイトというより、「小さい妹」扱いだ。まなみの声音にも、おままごとを見ているような、そんな響きがある。
「遊園地いって、ハンバーガーとチョコシェイクでしょ?」
ゆんなが答えるよりも先に、イヂワルな突っ込みを重ねる敦子。
らしいといえば中学生らしいデートのパターンだが、曲りなりにも恋人との甘い時間というには、このパターンはあまりに子供っぽい。
ゆんなの表情が、見た目にもはっきり判るほど固まった。
あうえうと言葉に詰まっているのを、周囲は図星をを指されて言葉が出ないと受け取った。
「当たり……なの?」
「まぁったく、坂本クンもなにやってんだか……」
実也と、大鷹俊乃が口を揃えた。
睦月とゆんなの記念すべきファースト・デートについては、アクア・プラネタリウムへ連れて行かれ、そのロマンチックさにとろけきったゆんなの報告を、飽きが来るくらい聞かされている。
初デートに人気のスポットを選んだことで、「坂本クンもなかなかやるわね」と株価は急上昇していたが、これで少しは進展するかと思えば、以前とまったく変化なし。登下校こそ並んで来るが、手を繋ぐ訳でもなく、デートを重ねたという話も聞かない。当て擦りまくっても、キスもまだとしか思えない反応に、周囲の落胆は激しかった。
実際は、睦月とゆんなは、キスどころか、出会ったその日にえっちをしてしまい、真実を告げようものなら、親も学校も友達も泡を吹いて倒れかねない、ナイショのアツアツ関係だ。
一昨日の夜も、睦月の股間に生えている可愛いシッポを自らの女のコの唇に深々とくわえこみ、迸る熱い「キモチ」を2度も体の一番奥で受け止めたばかりだが、そうとは夢にも思わない友人達には、ゆんなが隠している様子が、進展の無いもどかしさに見えてしまう。
「い、いいアル!睦月といければ、何処だって」
半ばヤケともいえるセリフで、ゆんながつーんとそっぽを向く。
まなみがふたつのドアノブの間をよしよしと撫ぜながら、
「わかった、わかった。デート、がんばってらっしゃい」
「でもさぁ、遊園地じゃ、報告、期待できないね」
俊乃がいかにもつまらなそうにため息を漏らす。
これが何処か人気の少ないところへ出かけるというなら、まだ「何か」を期待できるが、遊園地でのデートでは、アバンチュールは期待できそうもない。
「ま、なんかあったら報告すんのよ。期待はしないで待ってるから」
敦子がチシャ猫笑いでそう言う。
「そんな事言うなら、ささちゃんには教えないアル」
ゆんなはむくれ、そう言った。周囲もにやにやとそれを見ていた。
こうして、クラスメイト達は、睦月とゆんなが日曜日にデートするという情報を得た。場所は遊園地。如何にも中学生らしいデートだった。
だが、ゆんなが言葉に詰まった訳は、実は別のところにあったことを、友人達は知る由も無かった。
「ごめんアル。日曜は予定あるアルよ」
字面は謝っているのだが、「申し訳ない」という意識が微塵も感じられない。
むしろ、ウキウキしているという事がありありと判る。
「なぁに?デートでも行くわけ?」
佐々木敦子が、ゆんなの顔に答えが書いてある事をわざわざ問い掛けた。
「にゅふふ~」
ゆんなは、正解を言い当てられて、嬉しくてしょうがないという表情。こういうとき、人はときどき、イヂワルをしてみたくなる。
「で、誰と行くの?」
敦子がメガネのブリッジを押し上げながら問う。
瞬時にゆんなの表情が切り替わった。幸せいっぱいの表情からいきなり眉を吊り上げ、
「そんなの、睦月とに決まってるアル!」
と語気も荒げた。
転校いきなりの熱愛宣言後、ひとりで恋人気分を盛り上げているゆんなと、それに振り回される奥手少年の睦月のカップルは、傍で見ているには微笑ましく、たまにからかうと面白い。
「まぁまぁ、それよりゆんちゃん何処行くの?」
姉御肌の湯浅まなみが、仲裁に入った。
ひときわ低い身長と、どう贔屓目に見ても小学生にしか見えないロリータ・フェイスのおかげで、ゆんなはクラスメイトというより、「小さい妹」扱いだ。まなみの声音にも、おままごとを見ているような、そんな響きがある。
「遊園地いって、ハンバーガーとチョコシェイクでしょ?」
ゆんなが答えるよりも先に、イヂワルな突っ込みを重ねる敦子。
らしいといえば中学生らしいデートのパターンだが、曲りなりにも恋人との甘い時間というには、このパターンはあまりに子供っぽい。
ゆんなの表情が、見た目にもはっきり判るほど固まった。
あうえうと言葉に詰まっているのを、周囲は図星をを指されて言葉が出ないと受け取った。
「当たり……なの?」
「まぁったく、坂本クンもなにやってんだか……」
実也と、大鷹俊乃が口を揃えた。
睦月とゆんなの記念すべきファースト・デートについては、アクア・プラネタリウムへ連れて行かれ、そのロマンチックさにとろけきったゆんなの報告を、飽きが来るくらい聞かされている。
初デートに人気のスポットを選んだことで、「坂本クンもなかなかやるわね」と株価は急上昇していたが、これで少しは進展するかと思えば、以前とまったく変化なし。登下校こそ並んで来るが、手を繋ぐ訳でもなく、デートを重ねたという話も聞かない。当て擦りまくっても、キスもまだとしか思えない反応に、周囲の落胆は激しかった。
実際は、睦月とゆんなは、キスどころか、出会ったその日にえっちをしてしまい、真実を告げようものなら、親も学校も友達も泡を吹いて倒れかねない、ナイショのアツアツ関係だ。
一昨日の夜も、睦月の股間に生えている可愛いシッポを自らの女のコの唇に深々とくわえこみ、迸る熱い「キモチ」を2度も体の一番奥で受け止めたばかりだが、そうとは夢にも思わない友人達には、ゆんなが隠している様子が、進展の無いもどかしさに見えてしまう。
「い、いいアル!睦月といければ、何処だって」
半ばヤケともいえるセリフで、ゆんながつーんとそっぽを向く。
まなみがふたつのドアノブの間をよしよしと撫ぜながら、
「わかった、わかった。デート、がんばってらっしゃい」
「でもさぁ、遊園地じゃ、報告、期待できないね」
俊乃がいかにもつまらなそうにため息を漏らす。
これが何処か人気の少ないところへ出かけるというなら、まだ「何か」を期待できるが、遊園地でのデートでは、アバンチュールは期待できそうもない。
「ま、なんかあったら報告すんのよ。期待はしないで待ってるから」
敦子がチシャ猫笑いでそう言う。
「そんな事言うなら、ささちゃんには教えないアル」
ゆんなはむくれ、そう言った。周囲もにやにやとそれを見ていた。
こうして、クラスメイト達は、睦月とゆんなが日曜日にデートするという情報を得た。場所は遊園地。如何にも中学生らしいデートだった。
だが、ゆんなが言葉に詰まった訳は、実は別のところにあったことを、友人達は知る由も無かった。