さくらのぶらじゃぁ初体験 26
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「わ、わかりました。もう嗅いだりしませんから……」
身体を動かす事では、知世はさくらに勝てっこない。早々に降参の意思を示すと、さくらはそれ以上、無理やりに取り替えそうとはしなくなった。
「ホントに?」
念を押すように、さくらが訊く。知世がそれに頷くと、信じてくれたのか、手を離してくれた。
だが、立ったまま、じっとこちらを見ているのは、もう一度、匂いを嗅ぐ動作に入ったら、すぐに取り戻そうというつもりなのだろう。
知世は、さくらの体操着を拡げると、身を乗り出してこちらを見つめるさくらに一度笑みを見せてから、まず袖を通すため、腕を差し入れた。
片方づつ、万歳をするように腕をあげ、両方の袖が通ったのを確かめてから、ゆっくりと頭に被る。首周りを通すのを、少しもたついたフリをすれば、もう一度、さくらの匂いを胸いっぱいに吸うことができた。
頭を通し、両手をうなじに差し入れて、長い髪を引き出すと、軽く左右に振って髪の流れを整える。
あとは裾を下腹まで下げれば、体操着の上だけを着て、その裾から白いショーツを垣間見せる、長い髪の美少女の完成だ。
男性が見たら、理性をふっ飛ばしかねない、しどけない姿を、さくらはじっと見つめている。
「わ、わかりました。もう嗅いだりしませんから……」
身体を動かす事では、知世はさくらに勝てっこない。早々に降参の意思を示すと、さくらはそれ以上、無理やりに取り替えそうとはしなくなった。
「ホントに?」
念を押すように、さくらが訊く。知世がそれに頷くと、信じてくれたのか、手を離してくれた。
だが、立ったまま、じっとこちらを見ているのは、もう一度、匂いを嗅ぐ動作に入ったら、すぐに取り戻そうというつもりなのだろう。
知世は、さくらの体操着を拡げると、身を乗り出してこちらを見つめるさくらに一度笑みを見せてから、まず袖を通すため、腕を差し入れた。
片方づつ、万歳をするように腕をあげ、両方の袖が通ったのを確かめてから、ゆっくりと頭に被る。首周りを通すのを、少しもたついたフリをすれば、もう一度、さくらの匂いを胸いっぱいに吸うことができた。
頭を通し、両手をうなじに差し入れて、長い髪を引き出すと、軽く左右に振って髪の流れを整える。
あとは裾を下腹まで下げれば、体操着の上だけを着て、その裾から白いショーツを垣間見せる、長い髪の美少女の完成だ。
男性が見たら、理性をふっ飛ばしかねない、しどけない姿を、さくらはじっと見つめている。
「どう……ですか?」
先のさくらと同じように、腕を広げて何かを受け止めようとするポーズで、訊いてみた。
「う~ん………」
ちょっと不機嫌そうに、眉にシワを刻んださくらは、ややあって言った。
「だめ……だよ。これ、着けてるの判っちゃう……」
目の前の知世の胸には、体操着を透かして、微かにブラジャーのラインがあるのが判る。体操着の白い布地が身体から離れている場合はまだ目立たないが、布地が肌にぴったりくっつくと、ブラジャーが微かなコントラストとなって浮かび上がるのだ。
知世も姿見で自分の胸を確かめてみた。
ただ立っているだけなら、部分部分なので判らないかもしれないが、身体を動かすと、微かな濃淡が浮き立たせる場所が微妙に変わる。着けるところを見たという先入観のためかもしれないが、これで気づかれずに済ますのは、ちょっと無理ではないかと思った。
「体操着も黒ならいいのにねぇ……」
さくらがため息混じりに言う。
制服の中着と同じような素材なら、透けて見える事はないだろう。
もちろん、知世なら、中着と同じ布地を手に入れるのは容易い。裁縫も得意だから、完璧に体操着と同じ形に仕上げる事もできる。だが、いかんせん体操着は指定服だ。知世だけ紺色のものを着るわけにはいかない。そんなことをすれば、かえって目だってしまう。
「う~ん…………」
ブラとショーツのみの姿で、腕を組み、何かを考え込んでいるさくら。それを良いことに、知世はゆっくりと、そして愉しみながら、さくらの体操服を脱いだ。
「夏服も試してみましょうか?」
脱いだ体操服を丁寧に畳んだ知世が、そう切り出す。
この際、合わせられる服はみんな合わせて、なにかヒントになるような事がないか、探してみようという気になったのだ。
さくらがそれに頷くと、知世は下着姿のまま、ウォークイン・クローゼットの方に小走りで駆けていった。程なくして、丁寧にビニールをかけられた夏の制服を持って出てくる。
一般家庭では、クリーニングはお店に出すから、かかっているビニールは薄いもので、使用する際には破り捨てる。だが、幾多の使用人が居る知世の家では、外注に出したのでは逆に経費がかさんでしまう。このため邸内に専用の施設をがあり、この夏服もそこでクリーニングしたものだ。だから被っているビニールはファスナーの付いたタイプで、再利用ができる。これが、夏服を合わせてみようと言い出した理由のひとつなのかもしれない。
プラスチックのファスナーを開き、中から白い制服を取り出す。クリーニング溶液か、はたまた防虫剤のものか、刺激臭が僅かに鼻を突く。
先のさくらと同じように、腕を広げて何かを受け止めようとするポーズで、訊いてみた。
「う~ん………」
ちょっと不機嫌そうに、眉にシワを刻んださくらは、ややあって言った。
「だめ……だよ。これ、着けてるの判っちゃう……」
目の前の知世の胸には、体操着を透かして、微かにブラジャーのラインがあるのが判る。体操着の白い布地が身体から離れている場合はまだ目立たないが、布地が肌にぴったりくっつくと、ブラジャーが微かなコントラストとなって浮かび上がるのだ。
知世も姿見で自分の胸を確かめてみた。
ただ立っているだけなら、部分部分なので判らないかもしれないが、身体を動かすと、微かな濃淡が浮き立たせる場所が微妙に変わる。着けるところを見たという先入観のためかもしれないが、これで気づかれずに済ますのは、ちょっと無理ではないかと思った。
「体操着も黒ならいいのにねぇ……」
さくらがため息混じりに言う。
制服の中着と同じような素材なら、透けて見える事はないだろう。
もちろん、知世なら、中着と同じ布地を手に入れるのは容易い。裁縫も得意だから、完璧に体操着と同じ形に仕上げる事もできる。だが、いかんせん体操着は指定服だ。知世だけ紺色のものを着るわけにはいかない。そんなことをすれば、かえって目だってしまう。
「う~ん…………」
ブラとショーツのみの姿で、腕を組み、何かを考え込んでいるさくら。それを良いことに、知世はゆっくりと、そして愉しみながら、さくらの体操服を脱いだ。
「夏服も試してみましょうか?」
脱いだ体操服を丁寧に畳んだ知世が、そう切り出す。
この際、合わせられる服はみんな合わせて、なにかヒントになるような事がないか、探してみようという気になったのだ。
さくらがそれに頷くと、知世は下着姿のまま、ウォークイン・クローゼットの方に小走りで駆けていった。程なくして、丁寧にビニールをかけられた夏の制服を持って出てくる。
一般家庭では、クリーニングはお店に出すから、かかっているビニールは薄いもので、使用する際には破り捨てる。だが、幾多の使用人が居る知世の家では、外注に出したのでは逆に経費がかさんでしまう。このため邸内に専用の施設をがあり、この夏服もそこでクリーニングしたものだ。だから被っているビニールはファスナーの付いたタイプで、再利用ができる。これが、夏服を合わせてみようと言い出した理由のひとつなのかもしれない。
プラスチックのファスナーを開き、中から白い制服を取り出す。クリーニング溶液か、はたまた防虫剤のものか、刺激臭が僅かに鼻を突く。