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さくらの恋人候補生 8

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「……ん……ん?……ここかな?……えと……」
 ぷっくりとした知世のお尻に下腹を押し当て、双丘の合わさった奥にある「入っていくべき場所」を男のコの先端で見つけようとする。
 場所が見れないので目測は使えないし、うつ伏せの知世の背中に覆いかぶさっているから、手も回すことが出来ず、なかなか難しいドッキング・ミッションだ。
 ぷにぷにのお尻が邪魔になり、長さとしては少し荷が重いところだが、それを補う元気いっぱいの硬さを武器に、お尻の間に入っていこうとする。知世も恥ずかしさを堪え、お尻を上に浮かせるようにして協力したためか、男のコの先端が膣口を捉えた感覚が伝わってきた。
 ん、ここ!
 間髪を入れずに、さくらは思い切り腰を突き出す。男のコの先端が粘膜の狭間を押し拡げ、ずにいぃっと知世の内へ入っていった。
「…………んあぁッ!」
 膣を押し拡げられる快感に、知世の背中が大きく引きつり、顎が浮き上がった。頭の横にそれぞれ置かれた両掌がシーツを握り締める。
 挿入の快感による身体のこわばりが解け、知世がシーツに突っ伏すと、それを待っていたかのように、さくらが背中に覆いかぶさった。
 肘を折り、掌を知世の手の上にそれぞれ置くと、うなじを覆う漆黒の髪を鼻先で掻き分け、形のよい耳たぶを探す。
 柔らかなそれを唇で挟み、軽く「はみはみ」してみたり、複雑な形を舌でトレースして、知世をひくつかせてから、
「……う…ごく……よ?………」
 と囁きこんだ。
 シーツに顔を埋め込んだまま、知世が僅かに頷いたのを確かめると、お尻だけを前・後させるように揺すり、抽送を開始する。
 うに、うに、うにゅ
 知世の真っ白なそれに重ねられた、さくらの愛らしいお尻が動く様子は、いやらしさがまるで無く、むしろ可愛らしささえ醸し出している。
「……ん……んんッ……ん……」
 シーツに押し付けられ、くぐもった声をあげる知世。でも、心なしか、さくらに合わせるように、お尻を動かしているような気もする。
 動きを保ったまま、様子を伺っていたさくらは、嬉しそうな笑みを浮べると、知世の胸の下に右手を、同じくお腹の下には左手を差し入れ、ぎゅうっと抱きしめた。
 同時に、お尻の蠢きが急速に速度を増し、優しかった抽送が、貪るような動きに変わる。
 さらに、知世の耳を舐めるかのように舌を出したさくらは、その愛らしい唇からは想像もつかない、荒い息継ぎを始めた。
「はッ、はッ、はッ、はッ、はッ、はッ」
 短い間隔で耳にかけられる熱い息。その息に合わせて内臓を突きまくられる。腕に締め上げられた胴が痛い。決して重くないはずのさくらの身体が背中にずっしりと圧し掛かって潰されそう。
「……い……いや……」
 知世の身体が強張った。逃れる先を求めるように手を伸ばした。
「知世ちゃん!」
 突然の声に、伸ばしかけた手が止まる。さくらはあれほど激しかったお尻の動きをぴたりと止め、背後から知世の顔を覗きこんでいた。
「……知世ちゃん……わたしだよ?……」
 僅かに顔を傾けた知世と目が合うと、さくらは更に畳みかける。
「……わかる?……さくらだよ?……さくらなら……いいんだよね?……知世ちゃんに、なにしても、いいんだよね?……」
 耳に唇を寄せ、熱い息と共にそう囁く。流れ込んできた問いかけが、知世の心をそっと包み込んでいく。
 さくらちゃん……に……なら……なにをされても……いい……
 いまさら、繰り返すまでもない事を心の中で呟いた。すると、先ほどまで感じていた「怖さ」が、溶けるようにすぅっと消えていく。その証拠に、何かを掴むように持ち上げられていた手がシーツに落ち、身体の強張りが解けていった。
 それを見て取ったさくらは、そっとお尻を前後させ、抜き差しを再開する。ただし、うってかわってゆっくりで、優しくこねるような動き。
「……はぁぁ………はぁぁ………はぁぁ……」
 寒いときに手を温めるように、熱い息を知世の耳に吹きかける。その暖かさと、そして声にとろかされたのか、さくらの男のコをより奥へ迎え入れるような動きを見せはじめた。
「……はぁ………はぁ………わたしだよ?……こんな………コト………するの………は………さくら………だけ………だよ………わかる?………」
 こく、こく。
 さくらの問いかけに、知世が頷いて返したように見えた。だが、ゆっくりとではあるものの、後ろから突かれながらの答えだから、もしかすると、押された時の動きがそう見えただけなのかもしれない。
「……はやくするよ?……いい?……はやくするよ?……」
 知世の頭が頷くように動いたのを確かめ、さくらは再び知世の耳に唇を寄せた。開いた口から舌を伸ばし、耳へと息を吹きかける。
「……はぁぁ……はぁ……は……はッ…はッ、はッ、はッ」
 耳にかかる吐息のリズムはどんどん早くなり、それに合わせてお尻の動きも加速していった。
「……う……ん……んんーッ……」
 シーツに顔を埋めた知世が呻くような声を漏らす。両手が何かに耐えるように、シーツを握り締めて皺をつくる。
 すると、さくらはお尻の動きに急ブレーキをかけ、ゆっくりの抜き差しに切り替えると、
「……知世ちゃん……わたしだよ?……さくらだよ?」
 と、今、抱きしめているのが自分だという事を、何度も、何度も、繰り返し、繰り返し、知世に囁いて聞かせた。

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