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さくらの恋人候補生 3

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「はぁ……はぁ………」
 薄い胸を上下させ、荒い息を継いでいたさくらが細く目を開ける。
 両手足をしどけなく投げ出し、倦怠感に包まれているように見えるが、男のコの脈打ちは急に中断されたことを怒っているかのよう。
 呼吸を整えたさくらが、ゆっくりと首をめぐらし、知世の方を見た。すべてを包み込む、慈母のような優しい瞳と目が合う。何ものにも代えられない、とろけるような微笑がそこに浮かぶ。さくらは暫しの間、ほうけた様に知世の微笑を見つめていた。
 どのくらいそうしていただろう。
 何の前触れもなく、さくらは上体を一気に跳ね起こした。両腕で知世を力いっぱい抱きしめると、そのまま背中からシーツへと背中を落とす。
「きゃっ!」
 短い叫び声をあげた時は、もう知世の身体は仰向けのさくらの身体の上に倒れこんでいた。さくらの右肩に顎が乗り、少し斜めに覆いかぶさっている。
 間髪をいれず、さくらは右膝をたて、肩を一気に捻る。上に乗っていた知世がくるんと回って下になり、さくらがその上に圧し掛かる形になった。
 あっという間に押し倒されてしまい、目を丸くしている知世の視界いっぱいに、頬を名の色に染めたさくらの顔があった。見下ろす潤んだ瞳に、切羽詰った感情が色濃く表れている。
 見つめあうことしばし。知世はゆっくりと瞼を閉じると小さく小さく頷いた。
 さくらが、いくら元々は女のコで、今の男のコの身体は魔法で作ったかりそめのものであるとしても、あれほどに勃起を舐められ、しゃぶり回されては、「出したい」という欲求が我慢できないくらいに高まるのも無理は無い。
 このひと月、肌を重ねるなかで、こうしたコトが幾度かあった。
 おしゃぶりを終えるやいなや、一気に組み敷かれてしまう。少しじれったそうに腰の位置を合わせ、先端を入り口にあてがうと、そのまま一息に──。
 柔肉を押し割るのが気持ちいいのか、背中を大きく引きつらせ、男のコをお腹の一番奥にぶち当てるなり、その先端から熱くて濃い樹液を迸らせてしまうさくら。
 出している間の切なげに眉をひそめた表情。ひくつきにあわせ、スタッカートを効かせた声。脚の間で跳ね回る柔らかな細腰。
 脳裏をよぎる愛しい人のビジュアルに、下腹の奥がムズムズするようで、たまらない。
 だが、そんな風にされたのは、このひと月でも前半くらいまでの話。幾度も男のコとしての経験を重ねたさくらは、「出したい」という気持ちをコントロールできるようになり、もうひとつのプロセスを踏むようになっていた。
 ……今日は……どちらでしょう?…………できたら……このまま……このまま…………
 目をつぶり、次にさくらになにをされるのかを待っている知世。その高まる胸に、柔らかなキスの感覚が与えられた。
「あ……」
 わずかに頭をもたげてみれば、さくらの頭は少し下がって、まだ自らの唾液の跡が残る桜色の乳首を唇に含んでいた。
 ちゅ、ちゅ……。
 先ほど、熱心に舐りまわし時より、少し軽くだが、左右の乳首を交互に吸い、舐め、撫でる。
 やがて、お腹の真ん中を降りはじめた栗色の髪に、知世は思わず手を伸ばした。
「……さ……さくらちゃ……ん……」
「どうしたの?」
 おへその少し上辺りにちゅ、ちゅと口づけていたさくらが、上目遣いに知世を見る。
「……あ……あの……そ……そこは……いい……です……」
 恥ずかしそうに目を伏せ、知世は小さな声で言った。さくらがこのまま頭を降ろしていき、もっとも恥ずかしいところを舐められるかと思うと、心臓が爆発してしまいそうだ。
 だが、イノセントな笑みを浮かべたさくらは、
「でも……さっき、せっかく洗ったし」
 そのとおりだ。軽くシャワーを浴びたとき、あれほど熱心に洗ったのは、このためでもある。
「……で……も……」
「ね? いいでしょう?知世ちゃん。舐めさせて? ね?」
 何とか制止を試みた知世にたたみかけ、必殺の笑みで言葉を出なくさせると、さくらは再びおへその窪みに口づけた。
「あ……でも……はずか……あぁ……」
 身をよじり、僅かに見せる抵抗をものともせず、ちゅぱちゅぱと肌を吸う音が、次第に下がっていく。
 脇腹から腰の辺りをそっとさすっていたさくらの右手が、ゆっくりと腿を撫で、更に膝の方へと降りていった。
 今は閉じ合わさっている腿の間に顔が入るための先導を務めるのだ。
 膝頭を辿って内股に入った右手は、そのまま膝の裏へ回り、そっと外へ向けて押しやる。そうして出来た隙間にゆっくりと肘をこじ入れ更に拡げた。恥ずかしがって閉じたがる膝は、けれどさくら相手に本気の抵抗ができず、やがて右腕全体が膝下に侵入し、脚を担がれたような形になった。
「ああ……」
 腿の内側にさくらの頬の柔らかさを感じ、知世は恥ずかしさに顔を覆った。もう、脚を閉じ合わせることもできない。あとはさくらのなすがままだ。
「………かわいい……」
 陰阜にヘラできりいれたようなシンプルなたてすじ。内側から溢れる蜜で、メープルシロップをこぼしたようにヌルヌルのそこは、なぜかひどく「美味しそう」に見えた。うっとりと見つめていたさくらは、少し顔を左に傾けると、知世の女のコの「唇」に、ご挨拶のように軽く口付ける。
「……んッ!」
 軽くとは言っても、敏感なところへのキスだ。知世の身体をさざなみが駆け抜けた。
 少し顔をあげ、相好を崩したさくらは、あわせるだけの口付けを繰り返しながら、あくまでも優しく、そっと、今度は左腕を右膝の下に差し入れて、ゆっくりと知世の右脚を担いだ。
「ふふっ……」
 両腿を抱えこみ、小さく笑ったさくらは、ゆっくりとを顔を寄せた。唇からわずかに舌を覗かせると、ふっくらと合わさった間を下から上へとゆっくりと舐め上げる。
 れろぉ……。
「……んッ!」
 たったそれだけの刺激に、背中を引きつらせて喘ぐ知世の姿に、さくらは嬉しさが胸いっぱい満ちるのを感じた。
 ぴちゅ……にちゅ……ちゅぷぅ……
 ひと往復ごとに、さくらの舌は次第に深くわれめの中に入っていく。その度に、知世の背中が引きつり、いやいやをするように身をよじった。

テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

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