【ブログ版】ゆんゆんが大好き

上記の広告は１ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

　だが………。
「？　ん？……」
　いつまで経っても、想像した反応が無い。
　訝しんだゆんなは、暗がりに目を凝らし、睦月の顔をまじまじと見る。
　睦月は、先ほどまでと同じく目を瞑ったまま、規則正しい、安らかな寝息をたてていた。
「な……」
　なんで？　と、ゆんなは信じられない気持ちだった。
　どうして、起きないアルか？
　ゆんなは一瞬、先ほどのびゅくびゅくと白濁液を打ち込まれる感覚が幻覚だったのかと疑ったくらいだ。だが、お股の奥には、たっぷりと出された温かな精液の感触が残っている。これだけ明確にイッておきながら、目を覚まさないというのがゆんなには理解できなかった。
　ゆんなは女のコなので、知らないのも無理はないのだが、思春期の男のコには、「夢精」という生理現象がある。
　日夜、ひと時も休むことなく作り続けられる大量の精子を処理するためなのか、ある程度、射精をせずに溜めてしまうと、睡眠中に淫夢などを見た事をきっかけに、暴発してしまう。眠ったまま射精してしまうのはそれほど珍しい事ではないのだ。
　この夢精をしてしまった後、たいていは目が覚めるのだが、それは下着が粘液で濡れた事による不快感か、あるいは出した精液が外気で冷えた事による冷感が主な原因だ。
　射精した精液を、すべてゆんなの膣内に呑み込まれてしまい、さらには膣粘膜の温もりの中にその身を置く睦月のペニスは、不快感とも冷感とも無縁で、目が覚めるどころか、逆に夢心地。幸せそうな顔で寝息を立てているのも仕方がないというところだろう。
　だが、そういった男のコのメカニズムをしらないゆんなは、睦月が寝たフリをしているのではないか？　と疑いを持ってしまう。
　しかし、考えてみても睦月が寝たフリをする理由に思い当たるものがない。
　これが「しはじめた」ばかりなら、寝たフリをして、ラクに気持ちよくなろうという意図も考えられるが、それなら目的である精液を出すところまで行った後でなお、寝たフリを続ける必要がない。
　逆に、気持ちよすぎて失神した──という可能性を考慮してみたが、睦月が射精後にぐったりしたことはあるものの、気を失った事はない。それに、時折むにゃむにゃと何か口の中で言っているのは、どう訊いても「寝言」だ。気絶したのなら、寝言は言わないだろう。
　ゆんなは、ややしばらく、睦月の上に被さったまま、様子を観察しながらあれこれと考えてみたものの、状況から判断して、これは本当に寝ているのだと結論づけた。
「………」
　シラケと呆れがほぼ半分ずつ混ざった気分で、ゆんなは睦月を呆然と見下ろす。ちょっぴり、怒りも混ざっていた。こんな可愛い美少女にご奉仕されて、どぴゅどぴゅと射精までしたのに、目を覚まさないで暢気に寝てるなんて、失礼極まりない。
　そう思うと、引っ叩いて叩き起こそうかという気持ちになった。一度そう思いはじめると、自分がイケなかった事への逆恨みも混じり、ゆんなは体重を左側に傾けると、右手を拳に握って振り上げた。
　だが──
「………」
　半ば振り上げたところで腕を止め、ゆんなはまた考え込んだ。
　ここで殴って起こしたりしたら、それは敗北なのではないだろうか？　と。
　寝てる間にこっそりと悪戯して、自分の膣内での射精にまで導いたにもかかわらず、目を覚まさせる事ができなかった上、その事に怒って、叩き起こしたりしたら、自分のあそこが「なんとか射精はできるけど、それほど気持ちよくはない」と自ら認めたようなものだ。
　どうせ「叩き起こす」なら、思いっきり気持ちヨクして、快感をもって「叩き起こす」事こそ、自分の勝利の証がたてられるのではないか？　と思い始めた。
「………」
　半ば振り上げた右手をゆっくりと下ろし、なにも知らずに、すぴょすぴょ寝息を立てる睦月をじっと見つめる。
　今度こそ、あまりの気持ちよさに目が覚めた──と言わせてみせると固く決心したゆんなは、再び睦月を射精へ導くべく、行動を開始した。