えっちの国のさくら 5
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このため、18歳以下の方、妄想と現実の区別のつかない方の記事の閲覧は、ご遠慮ください。
18歳以上で、ご自身の理性に自信のもてる方のみ、「続きを読む」で内容をお読みください。
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「あ、待ってよぉ!」
慌てたさくらは、半分ほど残っていた目玉焼きやウィンナー、付け合せのサラダ、それにご飯を「ひょいぱく」という擬音をつけたくなるくらい大急ぎで頬張って、それを味噌汁で無理矢理に胃の腑へ流し込む。
「ほひひょうひゃふぁ」
半ば目を回しながら、さくらは食べ終わった食器の乗ったトレイを、シンクに持っていった。
「もういいのかな?」
予想外の早さで食器が戻った来た事に驚いた様子の藤隆だったが、こくこくと頷くさくらを見て、黄色の包みを差し出した。
「はい、おべんとう」
「ふぁひひゃひょ………行ってきまぁす」
口の中のものを嚥下しながら礼を言ったさくらは、藤隆から包みを受け取り、通学鞄を背負って玄関に走っていった。
愛用のインラインスケートに足を入れ、ロックレバーを倒してしっかり固定。両膝、両肘に素早くプロテクタを装着し、手首のガードを付けてぎゅっと握った。
玄関を出て見渡したが、桃矢のマウンテンバイクが無い。これはちょっと急がねばならないだろう。
見送りに出て来た藤隆に少し背伸びをして唇を突き出す。急いでいる心のうちが伝わったのか、藤隆は素早く前屈みになると、唇を合わせた。
にちゅくちゅぬちゅ。
舌を差し入れ、口中を掻き回す。さくらも舌を伸ばし、絡める。本当はもう少し時間をかけたいが、桃矢を追いかける都合もある。
「それじゃ、行ってきます」
身体を離したさくらは、そう言ってスケートを蹴り出す。腕の振りを使って、加速にかかった。
「いってらっしゃい。今日、僕、少し遅いですからー!」
藤隆の声に、さくらはくるりと回って後進で遠ざかりながら、
「うん~! 知世ちゃん家に寄ってくる~!」
手を振りながら言うと、もう一度反転。今度こそ全力で速度を上げにかかった。
「どこまで行っちゃったんだろう?」
一生懸命、スケートを滑らせるが、兄の姿は見えない。直角に曲がる道を、艦載機の着艦のようにクルマ止めに手をかけて速度を殺さずにターンし、春には桜で満開の道をひたすら進む。
「あ、いた! ちょっと待ってよ~」
マウンテンバイクを漕ぐ後ろ姿を見つけ、さくらが言った。まるでターゲットをロックオンする戦闘機パイロット。更にスピードをあげ、桃矢の右側に並び、一瞬、そのまま追い越すかという勢いだったが、きゅっと速度を落として併走した。
「おまえ、こんなに早くなくていいだろ?」
肩で息をするさくらに、呆れた顔で桃矢が言う。
「だってぇ……はにゃ~ん」
人差し指をつんつんと付き合わせる可愛い仕草から、急に赤く染まった頬を押さえて、照れた顔をするさくら。桃矢は、そんな妹を珍獣でも見るように眺めた。
「あ、雪兎さ~ん」
手を振りながらの、さくらの声にハッとして前を見やると、そこには眼鏡をかけた、笑顔の爽やかな青年が立っている。桃矢と同じ、星條高校の制服を着た彼は、月城雪兎。桃矢の親友である。
だが、
「ちッ……」
桃矢は少し眉をしかめ、舌打ちをした。会いたくない人物に会ったかのように。
「おはよう」
そんな桃矢の表情に気づいているのか、いないのか、雪兎はにこやかに笑って、朝の挨拶。桃矢も先ほどの舌打ちはおくびにも出さず、
「よっ。ユキ」
と、友人としての挨拶を交わす。
慌てたさくらは、半分ほど残っていた目玉焼きやウィンナー、付け合せのサラダ、それにご飯を「ひょいぱく」という擬音をつけたくなるくらい大急ぎで頬張って、それを味噌汁で無理矢理に胃の腑へ流し込む。
「ほひひょうひゃふぁ」
半ば目を回しながら、さくらは食べ終わった食器の乗ったトレイを、シンクに持っていった。
「もういいのかな?」
予想外の早さで食器が戻った来た事に驚いた様子の藤隆だったが、こくこくと頷くさくらを見て、黄色の包みを差し出した。
「はい、おべんとう」
「ふぁひひゃひょ………行ってきまぁす」
口の中のものを嚥下しながら礼を言ったさくらは、藤隆から包みを受け取り、通学鞄を背負って玄関に走っていった。
愛用のインラインスケートに足を入れ、ロックレバーを倒してしっかり固定。両膝、両肘に素早くプロテクタを装着し、手首のガードを付けてぎゅっと握った。
玄関を出て見渡したが、桃矢のマウンテンバイクが無い。これはちょっと急がねばならないだろう。
見送りに出て来た藤隆に少し背伸びをして唇を突き出す。急いでいる心のうちが伝わったのか、藤隆は素早く前屈みになると、唇を合わせた。
にちゅくちゅぬちゅ。
舌を差し入れ、口中を掻き回す。さくらも舌を伸ばし、絡める。本当はもう少し時間をかけたいが、桃矢を追いかける都合もある。
「それじゃ、行ってきます」
身体を離したさくらは、そう言ってスケートを蹴り出す。腕の振りを使って、加速にかかった。
「いってらっしゃい。今日、僕、少し遅いですからー!」
藤隆の声に、さくらはくるりと回って後進で遠ざかりながら、
「うん~! 知世ちゃん家に寄ってくる~!」
手を振りながら言うと、もう一度反転。今度こそ全力で速度を上げにかかった。
「どこまで行っちゃったんだろう?」
一生懸命、スケートを滑らせるが、兄の姿は見えない。直角に曲がる道を、艦載機の着艦のようにクルマ止めに手をかけて速度を殺さずにターンし、春には桜で満開の道をひたすら進む。
「あ、いた! ちょっと待ってよ~」
マウンテンバイクを漕ぐ後ろ姿を見つけ、さくらが言った。まるでターゲットをロックオンする戦闘機パイロット。更にスピードをあげ、桃矢の右側に並び、一瞬、そのまま追い越すかという勢いだったが、きゅっと速度を落として併走した。
「おまえ、こんなに早くなくていいだろ?」
肩で息をするさくらに、呆れた顔で桃矢が言う。
「だってぇ……はにゃ~ん」
人差し指をつんつんと付き合わせる可愛い仕草から、急に赤く染まった頬を押さえて、照れた顔をするさくら。桃矢は、そんな妹を珍獣でも見るように眺めた。
「あ、雪兎さ~ん」
手を振りながらの、さくらの声にハッとして前を見やると、そこには眼鏡をかけた、笑顔の爽やかな青年が立っている。桃矢と同じ、星條高校の制服を着た彼は、月城雪兎。桃矢の親友である。
だが、
「ちッ……」
桃矢は少し眉をしかめ、舌打ちをした。会いたくない人物に会ったかのように。
「おはよう」
そんな桃矢の表情に気づいているのか、いないのか、雪兎はにこやかに笑って、朝の挨拶。桃矢も先ほどの舌打ちはおくびにも出さず、
「よっ。ユキ」
と、友人としての挨拶を交わす。
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