さくらの恋人候補生 11
「ま、どうぞ」
そう言って処置室の中に案内する。
知世は幅の狭いベッドに横にされ、左腕には点滴の針が刺さっていた。眠っているのか、目を瞑っている。
「外傷はまったくありません。犬に襲われたとの連絡でしたが、どこも噛まれてはいないですよ」
医者の言葉に、全員が安堵の表情を浮かべた。何しろ相手は女のコである。飼い犬が噛み付いて、キズを残したとあっては、とんでもない事体になりかねない。
「ただ……相当に強い精神的ショックを受けたようです。頻拍発作と血圧低下が見られましたので、鎮静剤を点滴しています」
そう言って処置室の中に案内する。
知世は幅の狭いベッドに横にされ、左腕には点滴の針が刺さっていた。眠っているのか、目を瞑っている。
「外傷はまったくありません。犬に襲われたとの連絡でしたが、どこも噛まれてはいないですよ」
医者の言葉に、全員が安堵の表情を浮かべた。何しろ相手は女のコである。飼い犬が噛み付いて、キズを残したとあっては、とんでもない事体になりかねない。
「ただ……相当に強い精神的ショックを受けたようです。頻拍発作と血圧低下が見られましたので、鎮静剤を点滴しています」